
ギターが上手くなりたい、ギタリストなら誰しもが思うことです。
しかし、実際にはどんどん上手くなる人とそうでない人がいます。その違いは何でしょうか。
才能?センス?もちろん全く関係ないとは言いませんが、それだけで片付けてしまうのはもったいないです。
結論
結論を先にいうと、上達のカギは「難易度の設定」です。
長い歴史の中で、どうやったら上達の効率をあげられるかということに対してあらゆる分野でさまざまな研究が行われてきました。
それをギターにも応用すれば、今より上達が見込めるのではないかと考えて、今回は考察してみます。
1万時間で達人になれる
「1万時間の法則」という名前を聞いたことがあるでしょうか。ひとつのことに1万時間費やすと、どんなど素人でも達人になれるという法則です。
1万時間という時間の確からしさは議論の余地があるようですが、少なくともひとつのことを継続すれば必ず上達し続けられるのは間違いありません。
私Rimo(@RimoGT)はギタリストではありますが、普段は普通の会社員です。
Rimoの会社で一緒に仕事をしている人の中には、神業レベルのスキルを持った職人さんがゴロゴロいます。その道一筋!って感じの人たち。
しかし、その人たちからすれば、「長年やっていたらこれくらいできるようにはなるよ」という感覚みたいです。
「俺には才能があったから」という人には出会ったことがありません。
継続こそが上達に不可欠な要素であることがわかります。
ただし、職人さんたちはプロとして働いてお金をもらってますから、継続する環境は整っているといえます。
でも、継続が一番難しい
が、アマチュアのギタリストにとっては、その継続が最も難しい。
ならば、継続できるかどうかは何で変わるのでしょう?やはりお金をもらわないと継続できないのでしょうか?
そんなことはないですよね。アマチュアでもプロ顔負けの実力者はごまんといます。
お金を目的とせず、ギターそのものを楽しんでいるギタリストをあなたもみたことがあるはずです。
その答えが、「課題の難易度設定のうまさ」だと思うわけです。
フロー状態になれば無敵
フロー状態という心理状態があります。一般的には「ゾーンに入る」なんて言ったりしますが、「ゾーン」はフロー状態が一時的に極限まで高まった状態だと思ってください。
つまりフロー状態とは、
高い集中力が持続し、
高いパフォーマンスが発揮できて
成長も早い状態
と考えてください。
(フロー状態とは、心理学者のM・チクセントイハイの著書『フロー体験 喜びの現象学』によって提唱されたものです。)
ギターがどんどん上手くなる人は、自分をフロー状態に持っていくのがうまい、と言えます。
フロー状態に持っていくには8つの要素があるのですが、そのうちギターを弾く上で最も難しいのは、
「やさし過ぎず、難し過ぎないことに取り組むこと」
じゃないかと思います。
人間は、「やさし過ぎると退屈」になり、「難し過ぎると不安」になるので、どちらも継続の妨げになります。
具体的な解決策

難易度のチェック
普段の練習で難易度について強く意識できれば、無駄な退屈や不安を避けられますから、練習効率が上がっていきます。
ですから、自分の練習が「やさし過ぎず、難し過ぎないこと」かどうか、チェックする癖をつけましょう。
難易度の調整
「でも、実際に自分が練習していることを、どうやって『やさし過ぎず難し過ぎない』ように変えればいいの?」と疑問を抱かれると思います。
その答えは2つあります。
- やさし過ぎず難し過ぎないテンポまで落とすこと
- やさし過ぎず難し過ぎない音数まで分解すること
テンポを落とす
遅いテンポにすれば簡単になり、速いテンポにすれば難しくなります。
「はじめはゆっくりのテンポから始めましょう」…ギターを練習する人なら誰もが、これまで何度もこの言葉を聞いてきたと思います。
「ゆっくり」という曖昧な表現のせいで、退屈さを感じるほど極端にゆっくりなテンポにしてしまったり、不安が残る程度にちょっとしかテンポを落としてなかったり、うまくフロー状態に持っていけてない可能性が大いにあります。
人によって、曲によって、フレーズによって異なると思います。
自分で実際にテンポを探りながら難易度をコントロールし、一番集中できるテンポで練習してみてはいかがでしょうか。
フロー状態に入ると、継続が苦にならなくなります。継続できれば上達が約束されたようなものです。
音数を分解する
たくさんの音からなるフレーズがあった時、いきなり一気に弾き切ることは難しいです。
「テンポが速くてついていけない」と思っても、部分的には弾けて、部分的には弾けない、という場合がありますよね。
「部分的に苦手な動きが曲中に何回も出てくるので弾けない」、ということはよくあります。
それを特定して、一点集中で丁寧に克服していきます。一見遠回りのようですが、できるようになると曲中の同じような動きのフレーズが一気に弾けるようになる、ということがよくありますので効果的です。
テンポをおとさずにフレーズの一部分だけ弾いてみる、という練習でクリアしていきます。
1小節だけ、1拍だけ、それでもまだ難しければ3音だけ、2音だけ、とどんどん減らします。テンポはそのまま。必ずメトロノームを使ってください。
さらに1音だけ押さえてピッキングだけ。ここまで分解すると難易度は落ちるので頑張れば弾けることがあると思います。
そこからまた2音、3音と音数を増やしていって、どこまで分解すれば自分が弾けるのかを確認しながら、自分がテンポについていけない部分を探っていく方法です。
弾けない部分の最小単位が分かれば、その部分に求められる基礎力が足りていない可能性があるので、そこを徹底的に反復練習します。
まとめ

以上になります。ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
テンポを変えるというのは最も簡単に難易度の変えられるやり方です。他にもいろいろ方法はありますから、自分なりの工夫を意識的に難易度設定を行ってみてください。
そしてフロー状態をつくり出してどんどん上達してください。
フロー理論についてもう少し詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめです。
上達には、右手と左手それぞれの基礎をしっかりとしていく必要があります。
フィンガリングについては、天才ギタリスト・キコルーレイロ直伝の方法がありますのでそちらをご覧ください。
参考:キコルーレイロの基礎練習 天才のやり方はほんの少し違った【ギター】
ピッキングについては、選び方、持ち方・・・と筆者の体験談から順を追って解説した記事がありますので参考にされてください。
参考:【ギター】ピッキング上達への道 第1回 ピック選びのコツ (全4回)
それでは、Love Guitar!
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