Yoasobiの「夜に駆ける」。超かっこいいですよね!
あでやかな歌声、思わず踊りたくなるビート、切ないメロディ…どこをとっても非の打ち所がない名曲。
筆者も初めて聴いたときに一瞬でやられてしまい、ずっとリピートしてます。車の中でもノリノリで熱唱しています。
この曲が弾き語り出来たらカッコいいことは確定です。
しかしいざ弾き語りしてみると、この曲は似たような名前のコードが多くテンポが早いので頭と手がこんがらがりやすいのではないでしょうか。
そんな悩みを持つ方のために、今回は記事をかきました。
「夜に駆ける」は特徴的なコード進行のポイントをさえ押さえれば、つっかえたりミスしたりするのを防ぐことができます。
そのコード進行のポイントとは、ズバリ「セカンダリードミナント」です。
「何それ?」って方にもわかりやすく解説していますのでぜひご覧ください。
至るところに「セカンダリードミナント」が出てきます。
ですから、「夜に駆ける」はセカンダリードミナントが弾きこなすカギとなります。
コード理論を学ぶのは退屈なイメージが付きまといますが、カッコいい曲を通じてなら楽しく吸収できると思います。
ぜひ理論を知って欲しい理由
筆者の経験上、理論を理解せずコードをひととおり押さえられるようになると、次に待っているのは「退屈」です。
コードをみてただそれを追いかけていく。
もしくは丸暗記して手を動かす。
ある意味、単調作業のような状態になりかねません。
そうなると、新しい曲を覚えるのが苦痛になってきます。あなたにそんな苦しい思いを味わって欲しくありません。ギターの演奏はいつまでも楽しいものであるべきです。
今回のように理論的な特徴を掴むことで、曲と向き合い、対話することで演奏の質を上げていくことができます。
それではいってみましょう。
結論
今回習得するものは、この二つのコード進行です。
「夜に駆ける」のセカンダリードミナント
E7 Am7 (Ⅲ7 Ⅵm7)
C7 F (Ⅰ7 Ⅳ)
曲中に幾度となく出てくるこの進行が、この曲のグイグイ引き込まれるような展開をもたらす秘密です。
まずは基礎知識から
曲にはキーというものがあります。
チーム名みたいなものだと考えてください。
次に、チームが決まった時点でレギュラーメンバーとなるコードが7つ確定します。
それら7つをダイアトニックコードといいます。
ダイアトニックコード以外のベンチ入りメンバーを、ノンダイアトニックコードといいます。
今回のセカンダリードミナントは、ベンチ入りメンバーではありますが、準レギュラーといっていいほど試合によく出てくる存在。
特にこの「夜に駆ける」では出まくりです。
セカンダリーは「二次的な」という意味で、まさにベンチ入りメンバーという意味合いです。
おさらい
キーは音のチーム
ダイアトニックコードはチームのレギュラーメンバー
ノンダイアトニックコードはベンチ入りメンバー
そしてカンダリードミナントコードはベンチ入りメンバーだけど結構試合に出る
セカンダリードミナントは引き立て役
ベンチ入りだけど結構試合には出る、それがセカンダリードミナントコード。
このコードの役割は、「引き立て役」です。
引き立てる「お目当てのコード」が必ずいます。
お目当てのコードがいない限り曲中には現れることはありません。
しかし、両者の相性は抜群で、ほかのどのコードよりも引き立てるのがうまい。逆にほかのメンバーとの相性は悪いから普段はいない。
それがセカンダリードミナントコードの役割。
曲のコード解説
さて、これまでの説明を「夜に駆ける」に当てはめてみていきましょう。
この曲の原曲キーはCマイナーですが、今回は理解を簡単にするために、
3カポAmキーの平行調のCメジャー(Cを1度)として話していきます。
(曲のラストで1音上に転調していますが、進行は同じなので割愛します。)
ここで既にちんぷんかんぷんな人は、「♭とか#とかややこしい記号を取り除いて、ドレミで説明するための前提条件」だという理解でOK。さらっと流してください。
8種類のコード
「夜に駆ける」には8種類のコードが出てきます(転調後のコードを除く)。
C、C7、Em、E7、F、G、Gm7、Am7の8つです。
レギュラーとベンチ入りに分ける
Cメジャーキーのダイアトニックコード(レギュラーメンバー)は
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ |
C | Dm | Em | F | G | Am | Bm♭5 |
この7つ。
「夜に駆ける」の8種類のコードをみてみると、次のように分けられます。
・ダイアトニック(レギュラーメンバー)
C、Em、F、G、Am7
・ノンダイアトニック(ベンチ入り)
C7、E7、Gm7
引き立て役コードとお目当てコード
今回のテーマであるセカンダリードミナントのコードは、C7とE7です。
コード譜をみていただくと、必ず
C7のあとにF
E7のあとにAm7
という進行になっています。
これが引き立て役コードとお目当てのコードの関係です。
C7やE7は、曲中で一瞬ハッとするような響きですが、次に弾くFやAm7の美しさがグッと際立つような感じがしませんか?
この強力な進行こそ、セカンダリードミナントがベンチからよく試合に出る理由です。
2連コンボ
C7 F (Ⅰ7 Ⅳ)
E7 Am7(Ⅲ7 Ⅵm7)
この進行は、ドミナントモーションと呼ばれます。格ゲーのコンボ技みたいなものです。
この先あなたが弾き語りをする限り何度も何度も出てきます。超重要な進行です。
ぜひそのコードの流れをひとかたまりとして感じながら演奏してみてくださいね。
きっとコード進行の理解が深まるはずです。
理解が深まれば、コード譜を見たときに作曲者が何を狙ったコード進行なのかがわかるようになり、もっともっと豊かな表現が出せますよ!
捕捉1 曲中のノンダイアトニックコードあと2つ
ここからは本文で解説しきれなかった部分の補足です。
少し難しい内容なので、わからなければ流してください。
本文で出てこなかったコード2つについてです。
捕捉1-1 Gm7について
「夜に駆ける」のもう一つのノンダイアトニックコード、Gm7についてです。
長くなるので詳細は割愛しますが、これも「引き立て役の引き立て役」だと考えてください。
Gm7 C7
これは「ツーファイブ」と呼ばれる進行になります。
Gm7はC7と相性がいいです。
ドミナントモーションとはまた違った自然なつながりがあります。
Gm7 C7 F
という進行でワンセットと考えてください。格ゲーでいう3連コンボです。
ギターの指板上でフレットの位置関係を覚えると、横にスライドすれば他の音でも対応可能です。
捕捉1-2 E7/G#について
「夜に駆ける」のサビの最後に出てくるコードE7/G#についてです。
これも本題ではないので簡単にだけ。
曲中では次のような進行です。
G E7/G# Am7
真ん中のコードのG#を省いて、
G E7 Am7
とするとE7はAm7のセカンダリードミナントですね。これでも響きとしては成立します。
ちなみにG#は何かというと、ベース音をG G# Aと半音ずつ上昇させることでより滑らかな進行にすることを狙っています。
「クリシェ」と呼ばれる技法です。
捕捉2 セカンダリードミナントをもう少し解説
もう一つ、本文では説明していないセカンダリードミナントのもう少し詳しい解説です。
わからなければさらりと流してください。
捕捉2-1 セカンダリードミナントになるのはセブンスコード
セカンダリードミナントコードになるのはC7やE7のように必ずセブンスコードです。
捕捉2-2 お目当てのコードはメジャーもマイナーもありうる
ドミナントモーションをするときのお目当てコードは、今回の
C7 F
E7 Am7
のように、メジャーコード、マイナーコード両方あります。
また、セブンスコードの場合もあります。
例えば、
G7 C7 F7 B♭7 E♭7
上の進行のように、引き立て役コードが次のお目当てコードの引き立て役になり続けるようなコード進行も、面白い響きが得られます。
ジャスでよく用いられるコード進行です。
最後に
今回の記事は以上になります、お疲れ様でした。
なるべく噛み砕いて説明をしましたが、難しいと感じるところがあったかもしれません。
音楽理論は一回で理解するのは難しいですが、何度も何度も体系的に学ぶことでだんだんと知識の点と点がつながっていきます。
気長に繰り返し学んでいってください。
コード進行を知ることは曲を演奏する上で大きな手助けとなってくれます。世界で1番使われているコード進行をご存知ですか?まずはそれを習得してみるのはいかがでしょうか。是非参考にされてください。
参考:【知らないと損】世界一使われる定番コード進行のカッコ良さは圧倒的だった
それでは、Love Guitar!
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