こんにちは。ギタリストのRimo(@RimoGT)です。
前回、ギター無窮動の基礎編について教本レビューの記事をかかせていただきましたが、今回は無窮動(黒)について、レビューというか、あまりにも長い間弾いたりやめたりを繰り返しているので、その挫折の歴史を振り返りながらRimoと無窮動の向き合い方をお話ししていきます。
「無窮動」ほど長いこと一冊の教本に向き合ったことは他にはないです。
この本とはいろいろありましたが、今も手元のいつでも開ける位置に置いてあります。
こんな人に読んでほしい
今からジャズギターを始めてみたい!
無窮動に挑戦したい!
無窮動に挫折してしまった…
このような方に参考になるかと思います。
この教本を挑戦する以上、幾度となく挫折を味わうでしょう。
でも、この本に出てくるフレーズを自在に弾きこなすことができたら・・・想像しただけで夢のようですよね。
それでは、いってみましょう。
はじめに ピアノのバイエル、ハノン
ピアノには、バイエル、ハノンといった運指の基礎を築くことに用いられる指南書があります。うちの母も、うちの姉も、ピアノを習っていた経験があり、バイエルでスキルを身につけていました。筆者はピアノは弾きませんが、バイエル、ハノンという名前は2人の口からよく出ていたので覚えています。
まずは誰しもが通る道で、まずはそこをクリアしないと先には進めない本です。
ギターは自由、だから路頭に迷う
その点ギターは、ピアノに比べると「だれかに習う」という人の比率が少ないと思います。
その分、ギター教本はピアノ以上にものすごいたくさんの量が本屋さんに並んでいます。
しかし、それらの大半は初心者向けの内容です。
ですから初心者を抜け出したくらいのレベルに達すると、自分にあった情報がなかなかなく、次にどうしたら良いかわからなくなって途方に暮れるギタリストの数は相当数いるのではないかと察します。筆者がそうでした。
ギターは全く弾けないがピアノは弾ける母から、「指がバタついている」「音の粒が揃ってない」と言われたことがあります。
でも、全て見よう見まねで好き勝手弾いてきた当時の筆者にとって、それがのちのち自分を苦しめることになるなんて思ってもみませんでした。
ギターのハノンはないものか
長い歳月が経って、すっかり技術的な向上がみられなくなり、基礎の重要性に気づくことができるようになった筆者は、「フレーズのストックが増やせて、基礎が身につく本はないかなあ」と長年探していました。
その間、結構な教本を買いましたが、「これだけはいつも手元に置いておきたい」と思える辞書的な本に出会うことができませんでした。
革新的なジャズギターの指南書
ギター無窮動は、「ギターは弾けるんだけどジャズギターは全くの初心者」、という方にとって、革新的な内容の本でした。
演奏レベル的には決してやさしくはありません。ドSのスパルタ系に分類されます。
しかし、ジャズらしいフレーズが所狭しと掲載されています。絞っても絞っても、果汁が出続けるレモンのようです。
そして、何よりありがたいのがTAB譜がついていること。
道下先生は「TAB譜を読みながら練習することはお勧めしていない」とご自身のブログでも述べていらっしゃいますが、出版社さんのリクエストに応じてくださり、TAB譜を載せることになったそうです。
このことは、道下先生と出版社の方に本当にお礼を言いたいです。
アマチュアにはTAB譜は本当にありがたい
筆者が過去にジャズギターの先生に習っていた時も、五線譜で教えてくださいました。
参考:ギターを習いに行ってみた 一歩踏み出す前の葛藤
五線譜で書かれたツーファイブのフレーズ集なんかも買いました。読譜のトレーニングも行いました。
しかし、「大人になってから五線譜を使ってジャズギターを弾く」という行為は、アマチュアの趣味ギタリストにとってはかなりタフです。
社会人で趣味ギタリストの自分にとっては、読譜して運指を確認してからの反復練習は気の遠くなるような道のりでした。
先生に習っていたころはなんとかなっていましたが、レッスンを受けなくなってから、特に仕事が忙しい時なんかは、新しいフレーズを弾くところまでなかなかたどり着かない。
他の理由でも何度も挫折しかかっているわけですが、それでも読譜の負担が減っただけで新しいフレーズ習得がグッと身近なものになっています。
無窮動に出会うまで
筆者は速弾き系のハードロックやヘヴィメタル好きのギターキッズでした。
歌うようなアドリブプレイに憧れて、ジャズのアドリブを始めようと思いました。
ジャズギタリストの方ならそんなに珍しくない経緯だと思います。
ジャズギターを始めたての頃は、そこまで苦労せずに弾けるようになるだろうと思っていましたが、大きな間違いでした。
あまりにもどうしようもないのでレッスンを受けました。
その後、しばらく海外に行ったり子育てがあったりで数年のブランクができ、ギターが再開できたタイミングで無窮動に出会いました。
覚悟はしていましたが、挫折の連続でした…。
無窮動の苦しいポイント
無窮動の挫折しそうになるポイントは3つあります。
・ロックとは異なる指の動き
・スケール一発ではない音使い
・無窮であること
順番に見ていきましょう。
ロックとは異なる指の動き
ジャズギターの先生からは、「ロックギターは人差し指と薬指が中心だけど、ジャズは中指中心で運指をする」と言われました。
コードのベース音を弾く時は中指で押さえますし、アドリブフレーズを弾く時には全ての指をフル活用します。
また、ロックギターの速弾きは「速く弾けてカッコよく聞こえるフレーズ」が多いのに対してジャズのフレーズは「カッコいいフレーズを速く弾く」ことが当たり前で、一聴すると簡単そうなフレーズでも全く歯が立たない運指パターンだらけで、それがまず大きな壁となって立ちはだかります。
筆者は運指練習を一からやり直しました。
自分の指がこんなに思い通りに動かないのかと今でも思い知らされますが、地道に続けています。
スケール一発ではない音使い
ギターキッズの頃ずっとスケール一発で弾いてきて、その後レッスンでコードトーンを弾くことを習いましたが、両者が繋がらない。
コードとスケールの関係が理解できないと、音使いの意味がわかりません。
「理論ではなく、耳で聴いて響きを感じて」と言われたりしますが、耳で聴いてカッコいい響きだというところまでは分かっても、自分で弾こうとなると話は別。
意味がわからないと手も足も出ません。
例えば、この本のはじめの課題のバッキング。
キーはCメジャー。
2小節目のコードはA7。え?
その小節でB♭が使われています。は?
セカンダリードミナントとオルタードのことを知らずに、感性だけでいきなり自信満々にB♭は弾けません。
始まっていきなり意味がわかりませんでした。
加えて、この膨大なフレーズを知識もなく丸暗記は絶対に不可能です。
ということでもれなくギターにおける音楽理論を一から学び直しました。
勉強し始めて2年か3年経ちました。まだまだ完璧からは程遠いですが、音の並びで何を狙って弾いているか少しずつ理解できるようになってきました。
無窮であること
この本最大の特徴である、「無窮(休符がない)」であること。
ゆっくりめならテンポでも、休符なしで弾くためには指にしっかりと覚え込ませなければなりません。
指が動いて、フレーズの意味が分かっても、休む暇は無いのです。
苦しみながらももがく
指がついてこない、音の意味がわからない、休まず弾けない。
全く歯が立たない三重苦からのスタートでしたが、教本に書き込んだり、ノートを作って音の分析をしたりしながら、自分の出したい音が身につく工夫をこらし、試行錯誤を繰り返しました。
今思えば、この間もたくさん教本を読みましたが、そもそもは無窮動を弾くために手に取ったものでした。
それすら忘れるほど時間が経っています…。
まとめ
以上のように無窮動を弾くために色々ともがいてきました。
まだジャズギターのスタートラインにも立てていない状態なので嫌気が差していましたが、こうやってまとめてみると初めて無窮動を手に取った時よりは前に進んでいることに気がつきました。
これからも地道に継続していこうと思います。
そして、このたび無窮動の基礎編を手に入れましたので、そっちをメインにしつつ、少しずつ本編の無窮動にチャレンジしていきます。
いま現在挑戦中の方も、これから挑戦される方も、一緒に無窮の世界を楽しんで上達していきましょう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
Rimoはジャズギターレッスンを受けていた時期があります。レッスンって実際どうなの?って気になる方は、レッスンの雰囲気が味わえる関連記事を参考にされてください。
参考:ギターレッスンって実際どうなの? 一歩踏み出す前の葛藤【体験記】
また、無窮動に挫折した人のための基礎編のレビュー記事がありますので、そちらもご覧くださいね。
参考:ギター無窮動を挫折した人 基礎トレーニング編【教本レビュー】
それでは、Love Guitar!
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