こんにちは、ギタリストのRimo(@RimoGT)です。
今回は、安定した人気を誇るマルチストンプZoom MS50Gのおすすめセッティング法についてお話ししたいと思います。
MS50Gは、シンプルで直感的な操作性と高い音質、多彩な音色でなおかつ手に入れやすい価格。
多くのギタリストの心を満たしてくれる素晴らしい機材なので、「とりあえず買っとけ!」なエフェクター。
長年多くのギタリストのエフェクターボードに鎮座していますね。
筆者はMS50Gに魅せられた人間のひとりで、2台所有しています。
そんなMS50Gは、初心者にも非常に扱いやすい、よくできたエフェクターですが、使えるエフェクターの種類が多く、同時に使うエフェクターが増えればそれだけ設定できるパラメータは増えます。
ですから、「どうやって設定したらいいの?」「この設定でいい音って言えるの?」と、ちゃんと使いこなせているのか不安になりますよね。
でも、安心してください。
音作りの基本的な知識と、この機種の機能や特有のクセを把握できていれば、MS50Gだけでかなりいい音が作ることができ、まわりから「いい音してるね」「どんな機材使ってるの?」と言われるようになります。
さらにMS50G一台で音を出してることを知ったら、きっとびっくりすることでしょう。
そして、基盤となる「いい音」さえできてしまえば、あとは王道から個性的な音まで、臆することなく自由に音色をアレンジすることができます。
この記事を読んで、MS50Gのカッコいいサウンドメイク術を手に入れましょう!
さまざまな方法がありますが、筆者が普段実践している方法をもとに解説していきます。
それでは、いってみましょう。
音の良し悪しを決める3つの要素
Rimoが音作りで大事にしている3つの要素があります。
- 歪み
- 箱鳴り感
- 残響
これら3つをしっかり意識して作ることで、同じ機材を使ってもよりエレキギターらしくカッコいい音が出せるようになります。
1つずつ説明していきますが、この順に設定するということではありません。
実際のセッティングの場面では音を聴きながら3つのバランスを繰り返し整えていく作業になります。
3つそれぞれを徐々に狙った音へと追い込んでいくイメージです。
セッティングの前に注意点
MS50Gでサウンドを作るときに最も注意を払うべきポイントは、「同時使用できる数」です。
エフェクターの最大同時使用数は6個、というのが謳い文句のMS50Gですが、エフェクターよっては1つでたくさんメモリ容量を使ってしまい同時に使用できる数が少なくなってしまうモデルがあります。
ブティック系の歪みエフェクターやアンプのモデリングは基本的に容量を食う傾向にあります。
その点に注意してください。
とはいえ使用中に音が出なくなるわけではありません。
選択したペダルが6個未満で他のエフェクターが追加できなくなります。
まずは3要素を変更するための準備を
歪み、箱鳴り感、残響の3つを調整するための準備をしていきましょう。
今回は、
- ギターをアンプのクリーンチャンネルに繋ぐ。
- メインで鳴らすサウンドを作る
を想定して話を進めていきます。
(アンプなしのラインで鳴らす設定方法は、機会があればまたご紹介しますね。)
エフェクターを選ぶ
3要素を決めるエフェクターを選びます。
・歪み…オーバードライブ、ディストーション、ファズなど
・箱鳴り感…イコライザー
・残響…ディレイ、リバーブ
どんな音を作るにしても、これらのエフェクターを使って音のベースを作ってやれば、質感がずいぶん高まります。
上手く設定できればライブやレコーディングにも対応できる音色になります。
まず気に入った歪みを1つ選んでください。
次にイコライザー、「Graphic EQ」を。
ディレイには、1番容量の軽いと思われる「Delay」を。
リバーブは、いくつか選択肢があります。
ソロを気持ちよく弾きたい時は「HDリバーブ」を。音が広がり過ぎると感じる場合は「Room」か「Spring」がいいでしょう。
先程お話ししたメモリ容量の制限から、歪みにできるだけ多くのメモリを確保させたいので、箱鳴りと残響には容量の軽いモデルを選択します。
それでも十分よい音がします。
箱鳴り感の調整
いい音に聞こえるためには、低域から高域までの音のバランスが重要です。
音割れさせないように分厚く鳴らすには、どうやってキャビネットを箱鳴りさせるかにかかっています。
そこをイコライザーで調整していきます。
イコライザー調整をあなどってはいけない
同じエフェクターで音を作っても、強く聞こえる帯域/弱く聞こえる帯域はキャビネットによってまちまちですで、ボコボコと音が飽和してしまっている帯域やジリジリと耳が痛くなる帯域をスッキリさせれば、劇的に迫力のある音に変わります。
ですから、小さなキャビネットをお使いの方も、あきらめないでください。
変更できる帯域は6つあり、一見難しそうですが、一通りつまみを回して、どのつまみがどのあたりの帯域を変化させるのかを探っていけばさほど迷うことはありません。
イコライザー調整のしかた
イコライザー調整の基本は、
いらない周波数を下げ、全体の音量レベルを上げ下げし、必要なら部分的に上げる。
耳障りな周波数を下げるのが優先です。
足りない周波数を上げるのは最後です。
音が抜けないからといって、どんどん足していくと音が破綻します。
残響の調整
音が安っぽく聞こえてしまうもう一つの原因は残響の良し悪しです。
ディレイとリバーブをかけます。
かかっていないと問答無用で安っぽい音に聞こえます。音が近すぎる感じです。
かといってかけすぎると遠すぎる感じがするので、何を弾いているのか分からなくなってしまいます。
「やや控えめ」を心がけてディレイとリバーブをかけましょう。
歪みの設定
イコライザー、ディレイ、リバーブを使用し、残り最大3つまで同時に繋ぐことができます。
あなたの選んだ歪み系ペダルが、どのくらい容量を使っているかによっても変わりますが、基本的にはブースターとメインの歪みが組めるはずです。
これで容量オーバーしなければ、普段の音はこれでバッチリです。
組み合わせによってはさらにもう1つ追加できるので、うねりや揺らしのエフェクターをもう1つ追加できますね。
しかし残念ながら、ブティック系の歪み系エフェクターやモデリングアンプは容量を多く使うようで、同時使用数が少なくなる傾向があります。
ここはぜひ改善してほしいポイントです。次作に期待ですね。
歪み系の組み合わせ例
いくつか定番の例を紹介します。
T screamをブースターに、Overdriveをメインの歪みにすれば王道のギターサウンドに。
弾きこなせればめちゃカッコいい。
もっとヘヴィな音が欲しいなら、T screamをブースターに、Metal WRLDとの組み合わせ。メタラーの定番です。
ブースターを使わず、はじめからMetal WRLDをめいっぱい歪ませて、ZNRでノイズを消すというのもアリ。
クリーンでいきたいなら、ExciterとCompの組み合わせがいいですね。
他にもまだまだありますが、歪みに関して話すとキリがないので、この辺りにしておきましょう。
容量オーバー時の回避方法
自分が使いたい歪みペダルを入れるとどうしても容量オーバーになってしまう!という人にも、まだ解決策はいくつかあります。
・イコライザーはアンプ付属のもので対応する
・リバーブはアンプ付属のもので対応する
・リバーブかディレイどちらか外す
・ブースターを外付けする
など、容量に余裕を作ってあげて、上限を超えないように調整しましょう。
歪みペダルで容量オーバーしてしまうと、結局MS50Gの外にどれかを出すしかないんです…。
追記:全ての搭載エフェクターの使用容量を層別してみました。これを知ればメモリ不足に悩まされることもなく、臆することなくフル活用できます。こちらも併せてご覧ください。
参考:【MG50G】サイズ別エフェクト一覧!ペダルごとの容量を全部調べてみた
まとめ
MS50G一台でいい音を作るには、
- 歪み(歪みペダルとブースター)
- 箱なり感(イコライザー)
- 残響(ディレイとリバーブ)
これで音を追い込んでいけばかなりいい線いきます。
あとはメモリ容量との相談になります。
音の基盤ができれば、同系統の他のペダルを試してみて、気に入った音を見つけていきましょう。
最後に
それでもやはりエフェクター組み替えの際はメモリ容量のことを考えなければいけません。筆者は頭を悩ませながら、外付けも含め組み合わせを考えました。
最終的にたどり着いた1番手っ取り早くて柔軟な解決策は、「もう一台買うこと」です。
2台あればメモリ容量で悩むことはなくなります。
だから、Rimoは2台持ちにしました。全モデル好きなように繋げます。その他、MS50Gの弱点という弱点を全て解消するボードを組んでいます。
これでHX Stompに完全勝利したと宣言しておきます!
詳しくは、別の記事にしていますのでご興味のある方は併せてご覧ください。
参考:【ギター】8千円のMS50Gが8万円のHX Stompを超えた裏技
追記:文中にも載せましたが、全ての搭載エフェクターの使用容量を層別してみました。これを知ればメモリ不足に悩まされることもなく、臆することなくフル活用できます。そちらも併せてご覧ください。
参考:【MG50G】サイズ別エフェクト一覧!ペダルごとの容量を全部調べてみた
追記:同じものを2台繋ぐのは抵抗がある…という方は、歪み系ペダルを話題のコスパ最強アンプシミュレータ「FLAMMA FS06」にするのもアリです。
参考:話題のプリアンプFLAMMAのFS06を買って得する人、損する人。
お疲れ様でした。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、Love Guitar!
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