皆さんこんにちは、ギターブロガーのRimo(@RimoGT)です。
皆さんは普段、どんなエフェクターボードをお使いですか?
Rimoの現在のボードはこれです。
シンプル、ミニマルを目指しました。
でも、必要な機能と音質は確保しています。
練習、録音、ライブと全て事足りるのでとても満足しています。
そしてこのボードによって僕のギター人生は大きく変わりました。
とはいえ以前、Rimoは巨大なボードを組んでいました。
巨大なエフェクターボードは、ギタリストの究極の嗜好。
エフェクターを触っているときはもう、昇天しっぱなし、楽しいったらありゃしない。
でも、20年以上エフェクターボードいじりをしてきて、気づいたんです。
「巨大なエフェクターボードには、恐ろしい魔物が棲みつく」と。
魔物は、エフェクターボードから幸福感を得ているギタリストを1人残らず奈落の底へ突き落とします。
今回は、シンプルでミニマルなボードの魅力と、自分のギター人生がどう変わったのかを、過去の経験を交えながらお話していきます。
そして、エフェボーに棲みつく恐ろしい魔物の正体とは…?
エフェクターボードは大きくなっていく
ギタリストは自分の理想を追求するため、好みのエフェクターを厳選しボードの上に並べていく。
その行為は決して一朝一夕に完結するものではなく、ボードの見た目や空きスペース、お財布事情などさまざまな苦悩を乗り越えて、自分だけの世界観を少しずつ、作り上げていくことになる。
ボードに鎮座するエフェクターたちは、ある意味ギタリストとしての自分の生き様を反映させたようなもの。
ボードを組み上げ、シールドを繋ぎ、音を鳴らす瞬間はいつも最高にワクワクする。
この瞬間にニヤニヤせずにいられるギタリストなどこの世にひとりも存在しない。
最高の喜びも束の間
しかし、そんな至福のひとときもつかの間で、エフェクターとエフェクターの間にできた、ほんのわずかな隙間が目に飛び込んでくる。
「ここにもう一つ置けそうだな…。」
そんな考えが頭をよぎる。
思いは瞬く間に膨れ上がり、出来上がったばかりのエフェクターボードのサウンドセッティングはもはやそっちのけで、その隙間を埋めるための次なるエフェクターのことが自分の頭の中を支配していく。
次なるエフェクターが買いたい欲求はしだいに野獣化し、デジマートとアマゾンとサウンドハウスを何度も何度も徘徊させる。
画面とにらめっこしながら、最安値をしっかり確認した後、ポチ。
「よし、これで最強のエフェクターボードの完成だ。」
こうして届けられた新しいエフェクターを、ぽっかり空いた自分の心の隙間を埋めるように、ボードにできた隙間へとはめ込む。
無情にも、その新しいエフェクターは隙間に入らない。どう頑張ってもギリギリ収まらない。
絶対に解けないパズルに苦しめられ、それがようやく本当に解けないのだと悟るのには、いつも1時間以上はかかる。
「よし、もう少し大きいボードを買おう。」
大きなボードは手に負えなくなる
皆さんもこのような経験はありませんか?
私は数え切れないほど、この一連の行為を繰り返しました。
その結果、ボードは要塞のごとく巨大化し、最終的に一人で持ち運びができない重量となっていきます。
エフェクターボードあるあるです。
エフェクターを買い揃えていくと、エフェクターボードに収まりきらないときが必ず来ます。
しかしその時、人はなかなか「減らす」と言う行為に至りません。
ボードはどんどん大きくなっていきます。
大きくなればなるほど、
持ち運びが困難になる
トラブルが増える
お金がかかる
という厳しい現実が待ち構えています。
「あのアーティストと同じ機材を揃えたいんだ!」
という憧れの気持ちは、誰もが抱くものです。
しかし、一流ミュージシャンには、ギターテクという機材のプロが付いていて、
現場までの運搬
配線やセッティング
音出しチェック
演奏中の音色の切り替え
機材の撤収
メンテナンス
全て自分の代わりにやってくれているんですね。そこには報酬が発生し、責任が伴います。
それはアマチュアギタリストが気合と根性だけでできるものではありません。
ライブ前の緊張状態の中、重いボードを運んでヘトヘトになり、セッティングで音が出なかった日には、頭の中真っ白、冷や汗ダラダラです。
とても演奏どころではありません。
それでも人は減らすことが苦手
魔物の恐ろしさは、こんなものじゃありません。
頭の中で分かっていても、人は減らすことが苦手な生き物。魔物は追い討ちをかけてきます。
重いからキャリアを使う
セッティングを楽にするためジャンクションボックスを使う
音色の切り替えを監視するためにプログラマブルスイッチを使う
こうやって、「足し算思考」で解決策を立てていきます。
せっかく時間をかけて選んだエフェクターをボードから外すことは心が痛みます。
だから重量は増える一方。
外すにしても、「よりコンパクトなエフェクター」と交代させることを考えてしまいます。
全部自分がやったことなんですが笑
お金が足りなくなってくる
物理的な問題を解決するため、お金を湯水のように投入する必要があります。
資金が足りなくなってくると、中古品がないか探すようになります。
デジマートの通知を大量に設定し、ハードオフを見つけては必ず立ち寄り、宝探し。
「来月○○円入ってくるから、この機材をヤフオクで○○円で売って、デジマートで中古が出れば何とか買えるな…。」
「いや、サウンドハウスのポイントがあったから、それを足せば買えるんじゃね!?」
こんなことをずっと考えるようになります。
いえ、実際Rimoがなってました。
大切なものを見失う
魔物の本当の恐ろしいところは、ここからです。
機材のことで頭がいっぱい。
一見、ギターに没頭しているように見えます。しかしこれは、完全な錯覚で、もっと大切な「ギターを弾く時間」を完全に蝕んでしまいます。
本来ならギターを弾くことに当てられたはずの時間が機材探しに当てられてしまう。
いざ練習を始めても機材のことが気になって集中できない。
上達が見込めずストレスが溜まる。
「上達できないのはエフェクターが悪いせいだ」と原因は機材によるものだと考えがちになる。
完全な負のスパイラルです。
「いったい自分は何をしているんだろう…」
「これを趣味と呼んでいいのだろうか…」
そう気づくまでに何年もかかりました。
魔物を成敗する聖剣あらわる
そこから、悩みに悩みました。
のちに、「ものごとをシンプルに、ミニマルに考える」という思考があることを知ります。
皆さんも、「ミニマリズム」とか「ミニマリスト」と言う言葉を耳にしたことがあると思います。ここ最近、導入する人が増えてきた考え方です。
ミニマリズムとは決して「ものを捨てまくる」と言うことではなく、「必要でないものを手放すことで必要なものが見えてくる」という考え方です。
この考え方を、自分の目の前に所狭しと鎮座するエフェクターボードに適用してみました。
そのエフェクターは本当に自分に必要なものか、頻繁に使うものか
同じようなエフェクターをいくつも持っていないか
小さくできないか
2つを1つにできないか
こうやって一つ一つ丁寧に、すべてのエフェクターに対してチェックをかけていきました。
いらないものは基本売却です。必要に応じていくつか買い替えもしました。
もろもろのギター環境もあわせて変えていっため、トータル一年以上かかりましたが、その結果出来上がったのが今のボードになります。
コンパクトでありながら、機能性も確保しており、音質もとても良いです。
まだ改善の余地は多少ありますが、以前の巨大なボードに比べ使い勝手も良く、とても満足しています。
シンプル、ミニマルなボードがもたらす本当のメリット
ボードが小さくなったことで次のようなメリットが生まれました。むしろこちらの方が大きなメリットだといえます。
自分に必要な機材がハッキリしたため、新製品に目移りしなくなった
機材について悩むことがなくなったため、練習に集中できるようになった
機材探しに時間を使うことがなくなったため、練習時間が増えた
機材の出費がなくなったため、貯金できるようになった
いいことづくめです。
練習時間が増えたことで、40歳を過ぎた私でも、毎日上達しているのが実感できています。
だから毎日ギターを弾くのが本当に楽しいです。このワクワク感は、ギターを始めたばかりの中学生の頃に勝るとも劣りません。
Rimoのもとから魔物は去って行きました。
そしてコロコロと機材を買い換えることがなくなったので、貯金が貯まっていったんです。
しかも、自分が思うよりも早いスピードで。
ということで、念願だったオーダーギターを注文しました!
…いや、結局機材買うんかーい!
最後に
シンプルでミニマルなボードを組むことで、さまざまなメリットが生まれます。
ギタリストにとって、プラスに働くことばかりです。
引き算をしたことで良い結果が生まれるというのは直感的には何とも不思議な現象ですが、「時間とお金は有限であること」を考えれば理解できます。
無駄な行動を排除した結果、大切な時間とお金が残った、というシンプルなカラクリですね。
オーダーギターのことについてはまた記事にしたいと思います。
本当に自分のギター人生を豊かにしてくれる、自分仕様のギターができました。
ギターの出費がすごいことになっている
機材のことが気になって練習がおろそかになっている
そんな方は、「シンプルでミニマルなボードづくり」をトライされてみてはいかがでしょうか。オススメです。
最後に、今回ご紹介したシンプルでミニマルなエフェクターボードについて。
Rockboardというボードを使っています。
詳しく知りたい方は、レビュー記事がありますので参考にされてください。
参考:ペダルトレイン超え?高コスパで高品質なボードがあった Rockboard
今回の記事が、あなたのお役に少しでも立てたなら幸いです。
それでは、Love Guitar!
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