LAVA STUDIOを見ていると、ギターアンプは箱から小さなスタジオになっていく

追記(2026年7月24日)

公開後、日本での発売情報が出てきました。先行販売は8月17日から9月30日、その前の8月16日までが事前登録期間とされています。

また、本文中のスペック(アンプ30以上、エフェクト40以上、8トラックルーパーなど)は、その後のアップデートで数が増えているようです。本文はそのままにしてあります。

ただ、国内価格や保証、修理の窓口については、まだ確認できていません。本文後半で書いた「その辺を気にする人は待った方がいい」という考えは変えていません。

それでは、本文をお楽しみください!

こんにちは、ギターブロガーのRimo(@Rimo_gt)です。

少し前に、Rimo Blogで「小型ギターアンプ、もう練習用で片づけられない」という記事を書きました。

家でギターを弾く道具が、ただの練習用アンプではなく、AI、NAM、キャプチャ、録音、アプリまで含んだ小さな音作り環境になってきている。
そんな流れを整理した記事です。

その続きとして、LAVA MUSICの「LAVA STUDIO」が気になっています。

この記事は、LAVA STUDIOの実機レビューではありません。
まだ自分で触ったわけではないので、音が良い、操作が速い、買うべきだ、といった判断はできません。

ただ、公開されている情報を見ていると、これは単に「新しいギターアンプが出た」という話だけではなさそうです。

LAVA STUDIOは、ギターアンプでありながら、画面、スピーカー、アンプモデリング、エフェクト、ルーパー、録音、AIによる曲分離などの周辺機能まで抱え込もうとしている。
つまり、アンプという箱が、家の中の小さなスタジオに近づいている。

そこが面白いと思いました。

LAVA STUDIOは、アンプなのか

LAVA STUDIOは、LAVA MUSICが展開しているギター向けのアンプ/制作機材です。

公式ページの見出し上では、LAVA STUDIOのアップデートとして、TONE3000へのアクセスやNAM対応が打ち出されています。
LAVA公式のページタイトルにも「25000+ amps」「TONE3000 access」「NAM support」といった要素が並んでいます。ただし、これは内蔵アンプモデル数というより、TONE3000側のトーン資産へ接続する文脈として見る方が安全です。

また、Wallpaper*の記事では、LAVA STUDIOは13.3インチの折りたたみ式タッチスクリーンを備え、1基のウーファーと2基のツイーターを持つスピーカー部を中心にした機材として紹介されています。

さらに、30以上のデジタルモデリングアンプ、40以上のエフェクト、300のバッキングトラック/ドラムループ、8トラックルーパー、簡易的なマルチトラック録音機能などにも触れられています。

この時点で、もう普通の意味での「アンプ」から少しはみ出しています。

ギターを挿して音を出す。
アンプやエフェクトを画面で並べる。
バッキングを流す。
ループを重ねる。
録音する。
必要ならBluetoothスピーカーとしても使う。

ひとつひとつの機能だけ見れば、すでにどこかで見たものです。

モデラーにもある。
マルチエフェクターにもある。
DAWにもある。
Bluetoothスピーカーにもある。
練習アプリにもある。

でも、それらを「家でギターを弾く場所」にまとめようとしているところに、LAVA STUDIOの意味があるのだと思います。

画面がアンプの前に立っている

昔のアンプは、前面にノブが並んでいました。

Gain。
Volume。
Bass。
Middle。
Treble。
Reverb。

それを手で回して、音を探す。

もちろん、今でもその操作感は強いです。
むしろ、そこにアンプらしさがあると言ってもいいと思います。

でもLAVA STUDIOのような機材を見ると、アンプの前に画面が立っている感じがします。

アンプを操作するというより、音作りの環境を触っている。
ノブを回すというより、画面の中でアンプやエフェクトを配置している。
単体の音を決めるというより、練習、録音、再生、編集まで含めた流れを作っている。

これは便利です。

でも、少し危うくもあります。

ギターを弾くためにアンプの前に座ったのに、画面を触っている時間が増えるかもしれない。
音作りの入口が広がるほど、弾く前に考えることも増えるかもしれない。

ここは、今の機材全体にある矛盾だと思います。

できることが増えるほど、すぐ弾ける道具ではなくなる。
でも、できることが増えるからこそ、家の中に小さな制作場所ができる。

この両方が同時に起きています。

NAMとTONE3000が、アンプの中に入ってくる

LAVA STUDIOで気になるもうひとつの点は、NAMとTONE3000です。

NAMは、Neural Amp Modeler系の技術です。
実際のアンプやペダルの音のふるまいを学習し、デジタル上で再現していく方向の技術です。

TONE3000は、そのNAM系の流れと強く結びついたトーン共有/モデリングの文脈にあります。

Guitar Worldの記事では、TONE3000のNAM Architecture 2について、オープンソースであること、ハードウェアやソフトウェアメーカーが対応できること、LAVA MUSICを含む複数の製品がNAM対応の流れに入っていることが紹介されています。

ここで大事なのは、NAMが特別な人だけの研究対象ではなく、家の机の上にある機材へ入ってきていることです。

昔なら、良いアンプの音は、そのアンプを持っている人のものでした。

今は少し違います。

誰かが取り込んだアンプの痕跡が、データとして共有される。
それを小さな機材が読み込む。
家の机の上で、その音に触れる。

もちろん、これは本物のアンプを鳴らすことと同じではありません。

大きなキャビネットが空気を動かす感じ。
真空管アンプを大きな音量で鳴らした時の身体への返り。
部屋そのものが鳴っている感覚。

そういうものは、簡単には置き換わらないと思います。

でも、置き換わらないからこそ面白い。

本物の代用品としてではなく、別の触り方として、家の中にアンプの痕跡が入ってくる。

LAVA STUDIOのような機材は、その流れをかなり分かりやすい形にしているように見えます。

家の中に「弾く場所」ができる

家でギターを弾く時、いちばん大きな問題は音量だけではありません。

場所の問題もあります。

アンプを出す。
ケーブルを出す。
電源を取る。
ヘッドホンをつなぐ。
スマホやPCを用意する。
録音するならオーディオインターフェースも必要になる。

ひとつひとつは小さな手間です。

でも、その小さな手間が積み重なると、弾く前に少し疲れます。

LAVA STUDIOのような機材が狙っているのは、たぶんそこです。

アンプ、スピーカー、画面、バッキング、ルーパー、録音をひとつの場所にまとめる。
机の上、またはスタンドの上に置いて、ギターを持った時にすぐ触れる場所を作る。

これは、単なる機能追加ではなく、生活の中のギターの置き場所を変える話です。

ギターを弾くための準備が減る。
音作りの入口が近くなる。
録音までの距離が短くなる。

その結果、家の中に「ギターを弾く場所」ができる。

ここに、LAVA STUDIOの面白さがあります。

向いていそうな人

LAVA STUDIOが向いていそうなのは、まず家でギターを弾く時間が多い人です。

特に、アンプだけではなく、バッキング再生、ルーパー、録音、音作りまでひとつの場所にまとめたい人には合いそうです。

机の上で弾く。
ヘッドホンでも弾く。
曲に合わせる。
ループを重ねる。
少し録って聴き返す。

そういう使い方をする人にとっては、かなり分かりやすい機材だと思います。

また、モデラーやDAWは気になるけれど、PC中心の環境までは作りたくない人にも刺さりそうです。

PCを立ち上げると、急に音楽制作の顔になります。
それが良い時もありますが、少し重い時もある。

LAVA STUDIOは、その手前にある機材かもしれません。

アンプとして弾き始めて、必要ならループや録音まで行ける。
ギターを練習する場所と、軽く作る場所の間にある。

その中間っぽさが、今の家ギターには合っている気がします。

逆に、待った方がいい人

一方で、すぐ飛びつかなくてもいい人もいます。

まず、シンプルなアンプが好きな人。

電源を入れて、ノブを少し回して、すぐ弾きたい。
画面やメニューを見たくない。
音作りより、手元と弦に集中したい。

そういう人には、LAVA STUDIOは少し多すぎるかもしれません。

機能が多いことは、必ずしも良いことではありません。

8トラックルーパーも、録音も、バッキングも、AIによる曲分離などの周辺機能も、使えば便利です。
でも使わないなら、ただ複雑さとして残ります。

もうひとつは、国内での入手性や価格、サポートを重視する人です。

この記事を書いている時点では、少なくとも自分が確認した範囲では、日本国内の正規販売や発売情報を強く裏付ける材料はまだ十分ではありません。

海外情報としては面白い。
でも、買い物として判断するなら、国内価格、保証、修理、アップデートの継続、実機レビューがもう少し出てからでも遅くないと思います。

特に、LAVA STUDIOは「全部入り」に近い機材です。

全部入りの機材は、ひとつの機能が良いだけでは判断しにくいです。
画面の反応。
音の遅れ。
スピーカーの鳴り方。
タッチ操作のしやすさ。
プリセットの質。
アップデートの頻度。
サブスク機能の必要性。

そういう細かいところで、実際の印象がかなり変わるはずです。

だから、現時点では「買うべき」よりも、「この方向は見ておきたい」と言う方が正確です。

アンプは、音を出す箱から、時間を置く場所へ

LAVA STUDIOを見ていて思うのは、アンプの役割が少し変わってきていることです。

昔のアンプは、音を出す箱でした。

もちろん、ただの箱ではありません。
ギタリストにとっては、音の性格を決める大事な道具です。

でも、基本的にはギターの音を大きくするものだった。

今のアンプは、少し違います。

音を作る。
音を保存する。
音を探す。
曲を流す。
ループする。
録音する。
共有されたトーンに触れる。

アンプが、音を出す箱から、ギターと過ごす時間を置く場所になってきている。

これは便利な進化であり、同時に少し落ち着かない変化でもあります。

画面があると、どうしても目がそこへ行きます。
プリセットが多いと、どうしても選びたくなります。
録音できると、どうしても出来を気にします。

ギターを弾く時間が増えるのか。
それとも、触る機能が増えて、弾く時間が少し薄まるのか。

その境目は、まだきれいに決まっていません。

でも、Rimoとしては、その曖昧さごと見ておきたいです。

LAVA STUDIOは、ギターアンプの完成形というより、家ギターの置き場所が変わっていく途中の機材に見えます。

箱としてのアンプ。
画面としてのアンプ。
スタジオとしてのアンプ。

その全部が少しずつ重なっている。

今の小型アンプ周辺には、そういう準定常状態の面白さがあります。

完全に新しいわけではない。
でも、昔のままでもない。
まだ少し落ち着かない。
けれど、もう元には戻らなそうな感じがある。

LAVA STUDIOは、その変化をかなり分かりやすく見せてくれる機材だと思います。

買うかどうかは、国内情報と実機レビューを見てからでいい。
でも、アンプがどこへ向かっているのかを見るには、十分に面白い存在です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、Love Guitar!

参考

プロフィール
このブログを運営している人
Rimo

ギター、言葉、AIイラスト。ばらばらに見えるものを、観測し、痕跡として残し、別の意味へ組み直しています。整いすぎたものより、変化の途中にある景色に惹かれます。Nothing matches, everything fits. ーほどけてる。けどここにいる。

Rimoをフォローする
アンプ
シェアする
Rimoをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました