
LAVA STUDIOの国内販売と最新機能については、前回の記事に追記しました。この記事では、その情報をもう一度並べることはしません。
今回考えたいのは、その先です。
同じ箱が、購入後の更新によって少しずつ変わっていく。その変化を支えているのは、本体の中にある部品だけではありません。アカウント、通信、クラウド、メーカーが更新を続ける仕組みも、使い心地の一部になっています。
前回の「LAVA STUDIOを見ていると、ギターアンプは箱から小さなスタジオになっていく」を前提に、今回はその小さなスタジオを「所有する」とはどういうことなのかを考えます。
なお、この記事も実機レビューではありません。公開されている公式情報とマニュアルをもとにした観測です。
手元にあるのは箱、使い心地は箱の外
アナログのエフェクターの多くは、価値の大部分が箱の中にあります。電源をつなげば、基本的にはその機材だけで役割を果たします。メーカーのウェブサイトがなくなっても、昨日まで出ていた音が急に消えるわけではありません。
ネットワークにつながるデジタル機材では、本体の外にあるものが使い心地へ深く関わります。データを同期するアカウント、追加機能を届ける更新、音や設定をやり取りするサービス。机の上に置かれるのは一台でも、その一台は外の仕組みとつながって成立しています。
箱を買ったことは確かです。しかし、便利さのすべてを箱の中へ持ち帰ったわけではありません。
所有と利用が、少しずつ重なっている
本体は自分のものです。けれど、クラウドや外部サービスは、所有するというより利用し続けるものです。
この二つが一台の中で重なると、どこまでが自分の機材なのか分かりにくくなります。保存した音色は本体に残るのか。通信できない場所でも普段の操作は変わらないのか。アカウントを手放した時、何が引き継がれるのか。
こうした疑問は、LAVA STUDIOに問題があるという意味ではありません。外とつながる機材を選ぶ時に、これまでとは違う確認項目が増えたということです。
便利さを受け取る代わりに、メーカーやサービスとの関係も持ち続ける。その関係まで含めて、一台の機材を使う時代になっています。
「いまあるもの」と「続く仕組み」を分けて見る
更新される機材を選ぶ時は、現在と将来を分けて考えた方が判断しやすくなります。
まず見るのは、購入した日の状態です。これから何も増えなくても、自分がやりたいことを満たせるか。ここで納得できるなら、将来の更新は純粋な上積みになります。
次に見るのが、続いていく仕組みです。更新の履歴はあるか。アカウントが必要な範囲はどこまでか。オフラインでも普段使う機能は動くか。外部サービスが変わった時、本体には何が残るか。
この順番を逆にすると、まだない機能が加わることを前提に選ぶことになります。それは機材ではなく、期待を買うことに近いと思います。
止まった時に何が残るか
長く使う道具を選ぶ時、これまでは壊れた時のことを考えました。修理できるか。部品は残るか。中古で手放せるか。
ネットワークにつながる機材では、正常に動いているのに外の仕組みだけが止まる場合も考える必要があります。その時にも、音を出す、設定を呼び出す、録音するといった自分の中心的な使い方が残るのか。
将来を正確に予測することはできません。それでも「止まったら何もできない」と「止まっても今ある機能は使える」では、所有物としての安心感が違います。
増えていく機能の数より、増えなくなった時に何が残るか。その視点は、デジタル機材を選ぶ新しい基準になりそうです。
完成は、箱の外からやってくる
LAVA STUDIOの本体は、手元に置ける一台の機材です。それでも、その可能性の一部は箱の外から届きます。
更新、クラウド、外部サービス。どれも本体の輪郭を広げてくれますが、自分の所有物にはなりきらないものでもあります。
所有している箱と、利用し続ける仕組み。その二つが揃って、一台の機材として見えてくる。
これからデジタル機材を選ぶ時は、箱の中に何が入っているかだけでなく、箱の外に何を預けることになるのかまで見る必要がありそうです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、Love Guitar!



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