
こんにちは、ギターブロガーのRimo(@RimoGt)です。
突然ですが――
ギターって、なぜ人は“歪ませたくなる”のでしょうか。
いや、音楽的な話ではなくて。
もっと根本的な話です。
だって冷静に考えると、
かなり不思議じゃないですか?
本来ギターって、
綺麗に鳴らすための楽器のはずなのに。
ギタリストはなぜか、
- アンプを歪ませ
- ノイズを増やし
- 音を潰し
- 壊れかけみたいな音を出して
「うおおお、これこれ!!」
って喜んでいる。
しかも初心者ほど、
まず歪ませたがる。
Rimoもそうでした。
最初にアンプを歪ませた瞬間、
別に上手くなったわけじゃないのに、
なぜか急に“ロックを弾いてる感覚”になったんですよね。
パワーコードを鳴らしただけで気持ちいい。
1音伸ばしているだけなのに、
妙にテンションが上がる。
逆にクリーントーンだと、
急に自分が下手に感じる。
でもこれ、
よく考えるとかなり変なんです。
なぜ人は、
“綺麗な音”ではなく、
“壊れた音”に興奮するのか。
今回はこれを、
ちょっとクソ真面目に考えてみます。
クリーントーンは、残酷だ
まず最初に思ったのがこれでした。
クリーントーンって、
めちゃくちゃ誤魔化しが効かない。
- ピッキングの粗さ
- リズムのズレ
- ミュート不足
- 左右の同期
- 音の細さ
全部そのまま出る。
つまりクリーンって、
“加工されていない自分”
なんですよね。
これ、
結構怖い。
特に始めたばかりの頃って、
「下手だと思われたくない」
が強い。
すると人は、
無意識に“失敗が目立ちにくい場所”を探す。
心理学では、
自分を守る方向へ認知を傾けることを、
「自己奉仕バイアス(Self-serving bias)」と呼んだりします。
もちろん、
ギターの歪みが全部それだ、
なんて話ではありません。
でも、
「クリーンだと怖い」
という感覚には、
かなり人間っぽい心理が含まれている気がするんですよね。
歪みは、“自分が何者かになれた感覚”をくれる
でも、
歪みって単なる誤魔化しじゃない。
ここが面白い。
歪ませると、
軽く弾いただけでも音が伸びる。
細い音でも、
存在感が出る。
小さい入力が、
大きな結果になる。
初心者がクリーンでコードを弾くと、
「……あれ?」
となることがある。
でも歪ませた瞬間、
「うわ、ロックだ」
になる。
別に急に上達したわけじゃない。
でも確実に、
“何かになれた感覚”
がある。
これはかなり重要だと思っています。
人間って、
音そのものだけじゃなく、
- 強そう
- 太そう
- 派手
- 圧がある
みたいな印象に、
全体の評価を引っ張られる。
心理学では、
こういう現象を「ハロー効果(Halo effect)」と呼びます。
つまり歪みって、
音だけじゃなく、
“自分自身の印象”
まで変えてしまう。
だから人は、
歪ませた瞬間に、
「弾けてる気がする」
になる。
人は、“少し壊れたもの”に生命感を感じる
さらに面白いのは、
歪みって、
完全に綺麗な音ではないこと。
むしろ逆。
- 荒れ
- 飽和
- 崩れ
- ノイズ
- 揺らぎ
を含んでいる。
でも、
だからこそ気持ちいい。
これ、
自然界と少し似ています。
焚き火の揺れ。
雨音。
波。
木目。
人の声。
全部、
少し不完全で、
少し揺れている。
完全に均一なものって、
逆に無機質なんですよね。
人間の脳は、
適度な複雑さや揺らぎを、
“心地よい”と感じやすい。
だから歪みって、
単なる騒音じゃない。
“生命感”
なんです。
歪みは、感情を乗せやすい
ここが、
今回一番大きかった発見かもしれません。
怒り。
不安。
焦燥感。
孤独。
衝動。
こういう感情って、
綺麗すぎる音だと、
逆に乗せにくい。
でも歪みは、
最初から少し荒れている。
だから、
感情の粗さも通しやすい。
心理学では、
自分の内面を外へ映し出すことを、
「投影(Projection)」と言ったりします。
つまり歪みって、
“感情を外側で鳴らす装置”
なんですよね。
だから、
感情的な時ほど、
歪ませたくなる。
激しい音楽を聴きたくなる。
大きい音を出したくなる。
あれって、
単なるテンションではなく、
“自分の感情を、自分の外に置きたい”
に近いのかもしれません。
初心者ほど歪ませたがる理由
これも、
今回かなり腑に落ちました。
初心者の頃って、
「まだ下手なのに、ロックをやりたい」
という矛盾を抱えている。
理想は高い。
でも現実は追いつかない。
この苦しさを、
心理学では「認知的不協和(Cognitive dissonance)」と呼びます。
理想と現実がズレている状態。
人はそれを埋めたくなる。
そこで歪みが入る。
すると一気に、
“ロックをやってる感”
が出る。
つまり歪みって、
「理想の自分」と「今の自分」の距離を、
少しだけ縮めてくれる装置
でもあるんですよね。
人は、弱いままでも鳴らしたい
ここまで考えて、
最終的に残ったのはこれでした。
人は、
弱いままの自分を、
そのまま鳴らすのが怖い。
でも同時に、
「表現したい」
も消えない。
だから人は歪ませる。
歪みは、
弱さを隠すためだけのものじゃない。
むしろ、
“弱さが鳴っても許される空間”
を作ってくれる。
クリーントーンが、
裸の自分だとしたら。
歪みは、
鎧なのかもしれない。
でもその鎧は、
自分を隠すためだけじゃない。
むしろ逆で。
“本音を鳴らす勇気”
をくれるものなのかもしれません。
それでは、Love Guitar!


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