こんにちは、ギタリストのRimo(@RimoGT)と申します。
今回は「力み」について。
こんな人に役に立ちます
・ちゃんと弾こうとすればするほど指がカチカチになって思うように動かなくなってしまう。
・演奏するときは、たっぷり歪ませてあとは勢いに任せて弾いている。
・今は完璧には弾けてないけど、このまま反復練習していれば弾けるようになるはずだと信じている。
こんな人に向けて書いた記事になります。
ギター演奏には「力み」は厳禁。「脱力」が大事。
聞いたことはあるけど、そもそも「力み」「脱力」って何?力を入れずに弾くって不可能じゃないの?
今回は、「脱力」に対する見解と、「力まない」「脱力する」ための具体的解決策をご紹介します。
解決策はとてもシンプルなもので、この記事の理屈を理解して、意識を変えることだけで今日から実践できます。
あなたも、粒立ちがよくキレッキレなプレイができるギタリストになりましょう!
結論
今回の結論を先に述べますと、
「脱力」とは、「不必要な部分はリラックスし、必要な部分には力を入れること」です。
当然どこにも力をいれずに弾くことはできません。
ですから、力の入れる部分がどこかを知ることで、リラックスしながら正確な演奏ができるようになります。
しかし、間違った認識、間違った方法では、いくら繰り返し練習をしても、弾けるようになる日が来ることはありません。
それどころか、変なクセがついてしまい、ますます下手になっていく一方です。
それでは詳しく解説していきます。
脱力っていう意味がわかりません
「脱力」が大事、という言葉は一度は聞いたことがあると思います。
言葉がざっくりし過ぎていて、なかなかイメージしにくいですよね。
簡単に言うとこういうこと
初心者のうちは、ギターを弾くための筋力が備わっていないので、しっかりと押さえる必要があります。
力が足りないともちろん音が鳴りません。
もう少し練習を重ねていき、音を鳴らすための筋力がついた段階から影響してくる話です。
押さえる力がついたら、理屈上それ以上の筋力は必要ありませんよね。
でも、弾けば弾くほど筋肉は鍛えられていきます。
だから、それ以上の力を入れることはギターの演奏にとって不要ですよ、脱力しましょう、という助言があるわけです。
しかし、わかっていても、人はどんどん力んでしまい、脱力できなくなってきます。
さらに、「うまく弾けない原因は、押さえ方が弱いからだ」と、間違った筋肉を、間違ったタイミングで入れてしまうクセがついてきます。
ムキになって反復練習すればするほど。
テンポについていけないから指が力む
テンポについて行こうとすると、速い動きが必要になります。遅れまいとすればするほど、指に力が入ります。
これは、人間は指の手が一番器用で、指で何とかしてしまおうとするからです。
下の写真はホムンクルス人形といって、人の体の各パーツの器用さの度合いを、大きさで表した模型です。
これを見ても、手の指の器用さが分かりますね。
上手く弾こうとするために、人間の脳は指を使おうとするようにできているわけです。
ポジション移動が少なければ速く弾ける
例えば、Emコード、Amコードの連続であれば、かなり速いテンポでも弾けると思います。移動も少なく、安定した構えで弾くことができるからです。
ポジション移動があると遅れる
しかし、ストリングスキッピングやスイープが連続するようなフレーズの場合だと、「弦移動」または「フレット移動」が大きくなります。
テンポに遅れないためには、速く移動しないといけなくなります。
この時、速く弦を押さえないといけないという意識が働くため、ついつい指に力が入ってしまいます。
力みが生じると、関節は動かなくなります。
結果的に次の動きに対する遅れとなったり、バタつきとなったりします。
少し極端な2つの比較例を挙げましたが、自分にとって難しいと感じるフレーズは、「大きな移動」に遅れまいと、指に力みが発生してしまう傾向にあるのです。
移動のたびに、指が力んで、手の構えが崩れて、遅れて、音はプチプチプチプチ…。
わかっていもできないから困る
頭の中ではわかっていても、体は思うようにいかない。それが簡単にできたら苦労しないよ!
多くの方がこの悩みを抱えます。
しかし無情にも、曲の難易度が上がれば上がるほど、さらに指は力んできます。
さらに、「速くて複雑なフレーズを弾くには指先の筋力がいるだろう」という考えが、あなたをドロ沼にはめていくことになります。
指が力む原因と解決策
少し長くなりましたが、脱力できない原因は、
大きな移動に遅れまいとして指が力む
でした。
これに対して、指を脱力させながら速く移動する解決策は、
体の指以外を使って移動すること
です。
要は、腕と手首を使って、指を移動させるのです。
冒頭で述べた結論を覚えていますでしょうか?
「脱力」とは、「不必要な部分は脱力し、必要な部分には力を入れること」
でした。
力が不必要な部分は「指」。脱力。
力が必要な部分は「腕と手首」。筋肉を有効に使う。
横の移動は腕を使う
ローフレットとハイフレットの横移動の際、指を脱力したまま速く動かすためには、下の写真のように腕の筋肉を使って手を左右に動かします。
すると、指は脱力したまま、素早く動かすことができます。
縦の移動は手首を使う
低音弦から高音弦の縦の移動は、下の写真のように手首の屈曲を使い、手のひらの角度を変えます。
こうすることで、指は脱力したまま、素早く1弦から6弦まで動くことができます。
横の移動も縦の移動も、腕と手首を使って、手のひらと指を運ぶようなイメージで行ってみてください。
それでも力んでしまうときの脱力方法
横移動にしても縦移動にしても、得意でない動きが入ると余計なところに力が入ってしまいます。
人間の体は本当に不思議で、慣れない動きに対して、自分の思った通りに動いてくれないばかりか、自分では力んでいることに気づくことが難しい。
そこで、どうしても運指がうまくいかないときに、自分が力んでいないかチェックしつつ、指の緊張を緩和する方法をご紹介しましょう。
それは、「指をニギニギする」ことです。
これだけでは伝わらないので、例を出して説明します。
例えば、速弾きでの上昇中・下降中に、次の指がうまく出てこないようなフレーズ、よくありますよね。
そんな場面を想定してみてください。
下のように人差し指を押さえた後、次の指が毎回失敗してしまうとします。
ここまでは普通に弾いて、この状態で弾くのを止めます。手の形はそのままです。
中指、薬指、小指が余っていますので、この3本の指を人差し指で弦を押さえたままニギニギします。
こうすることで、必要な指(ここでは人差し指)にだけ必要な力を加えつつ、他の指をリラックスさせて次の音に素早く動く準備をさせることができます。
もしここで余計な力が入っていることがわかったなら、ニギニギしながら人差し指だけしっかりと押さえます。こうすることで、どの筋肉を使うのが正しいのかを知ることができます。
失敗するのが他の指の場合、
中指で弦を押さえている場合、薬指と小指をニギニギ (可能なら人差し指も)
薬指で弦を押さえている場合、小指をニギニギ (可能なら人差し指、中指も)
小指で弦を押さえている場合、可能なら人差し指、中指、薬指をニギニギ
となります。
ギターとならぶ速弾き楽器=バイオリンを参考にしています
この方法は、バイオリンからヒントを得て、Rimoが実践しているものです。
ギターと同じく速弾き奏法が1つの華であるバイオリンでは、ギター以上に脱力、脱力と繰り返し言われています。
その中でも、左手の脱力の妨げとなるのが「親指の力み」だそうです。その力みを取る方法として割とポピュラーなのが、「親指クルクル」です。
参考まで、動画をご紹介しておきますね。
まとめ
腕と手首を使って、弾きたいポジションに指を素早く移動するためには、もちろん練習が必要ではあります。
しかし、指に一切力を入れなくても上下左右に素早く移動できる感覚はすぐに感じてもらえるはずです。
そして、脱力した指は、力んでいる時よりも圧倒的に動かしやすいと感じることができるでしょう。
はじめはなれないかもしれませんが、移動の際に「腕!手首!」と心の中でつぶやくだけで、リラックスした状態をキープすることができます。
その上で、どうしてもうまくいかないポイントでは、使っていない指を「ニギニギ」して力みを取ってあげましょう。
今回はここまでとなります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ところであなたは今、
アドリブが自由に弾けたらなあ!
アドリブフレーズってどうやって作るんだろ?
と悩んでいませんか?
もしそんなモヤモヤをお待ちでしたら、この記事ものぞいてみて下さいね。
参考:【3分でわかる】自分でギターフレーズを無限に作るための方法
きっとお役に立てると思います。
それでは、Love Guitar!
コメント
バイオリンの動画に対するコメントが教えてくださってる先生を揶揄する失礼な文章になってます
一度読み返してご覧になるといいですよ
コメントいただき、ありがとうございます。ご指摘いただいたと思われる部分を削除いたしました。
みなさまにとってより読みやすい文章になるよう、引き続き改善を重ねてまいりますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。