今回はシリーズ化しています。この記事が最終回の第4回になります。第1回の「ピックの選び方」はこちら、第2回の「ピックの持ち方」はこちら、第3回の「関節の動かし方」はこちら。
シリーズ最終回の今回は、ピッキング練習についてです。
ここで質問です。ピッキング練習と聞いて、何をイメージしますか?
オルタネイト、ダウンストローク、アップストローク、空ピッキング、カッティング…などの練習。
正解です。どれもとっても大切です。
しかし、ちょっと待ってください。
もっともっと根本的なところにも、上達のヒントは隠されています。
筆者の経験談
私(@RimoGT)はずっとピッキングで苦しみました。世の中にはピッキングに関する情報はいくらでもあるのに、納得のいくピッキングを一向に習得できない。
地味。面白くない。
自分の弾くギターが嫌いになり、何のためにギターを弾いているのかを見失い、音楽を聴くことすらなくなった時期もありました。
そんな私がピッキングが上達しないドロ沼から抜け出した方法をお伝えします。
まずは、エアギターから
結論、最強のピッキング練習方法は、「エアギター」です。
真面目な人は、いま完全に拒絶したと思います。
そんなことより、アングルは?アップピッキングのコツは?
それも大事です。が!もっと大事なことがあります。
まずはお手本となるこちらの神動画をまずはご覧ください!
「こんな風にギターが弾けたらなぁ…。」
…って思いませんでしたか?そうです、そのハートが何より大切。
聴いてる側が楽しくなっちゃう、そんなギターを弾きたいですよね。
「そりゃあこれだけ上手ければ楽しいだろうよ」という意見も一理あります。しかし、観ていてこんなにも幸せな気分になるのは、彼女のテクニックが優れているからという理由だけでしょうか。
そうではなく、「楽しめるから上手くなった」と思うんです。
今、あなたはギターでリズムを奏でることを楽しめてますか?リズムが体から湧き起こってますか?
あなたが今日までギターを弾いているのも、ギターの弾きはじめた頃に味わった「自分がギターから音を出している」というワクワク感が原点にあるのではないでしょうか。それをもう一度思い出しましょう。楽しんだもの勝ちです。
ピッキング練習は世の中にたくさんありますが、そこにいく前に、自分が楽しめるグルーブ感を取り入れるのが1番はじめにやるべきことです。
自分が演奏する音楽を、自分の体の中から発するという意識を持つこと
これがめちゃくちゃ大事。
そこで、エアギターをやるんです。
ギターを持っても持たなくてもいいです。
誰もいないところで、なりきってエアプレイしてみてください。
その気持ちの高ぶり、体の動きが、あなたが本来やりたい動きです!
その動きに、ピッキングの根底があります。
たとえあなたの奏でたいものがファンキーなカッティングでも、高速ヘヴィリフでも、ジャズのシンコペーションでも、同じです。
それを、エアギター表現してみてください。
テクニックのことは置いといて、音楽と心をシンクロさせてみてください。めっちゃ楽しいはずです。その楽しさがギターを奏でる源です。
人前でやるとアタマおかしいやつだと思われますから、一人の時にやってください。人前で演奏する時に、その感情の高ぶりは徐々に自然と出るようになってきます。
そこまでくれば、ピッキング練習が地味だとかつまらないとか思わなくなるはず。
大好きな音楽のビートを自分で作れるわけですからね。
イメージが固まったら、より正確なエアギターを
次の段階では、より正確にエアギターを行います。
ただそれっぽい振りをするのではなく、本当に手元ににギターがあることを想定して、指の一本一本の動き、ピックのストロークを完全再現してみてください。
ギターがない分、視覚情報がありませんから、より体の動きにより集中できると思います。
自分が音を鳴らす時、からだのどこをどう使って音を鳴らしているか、タイミングはそろっているか、考えながらエアープレイしてみてください。
普段あいまいに体を使っているところがよりはっきりと感じとれるはずです。
課題が見つかったらあとは練習
課題がみつかったら、実際にギターを持って、あらためて腕の振りはどうするか、ピックのアングルはどうするか、と細かいところに目を向けていきましょう。
いくらでも自分なりのやるべきことが出てくると思います。わからないこと、知りたいことが増えると思います。
自分のための練習方法は、そこから組み立てていきましょう。
具体的なやり方や練習方法は、他のサイトや動画を検索すれば出てきますのでここでは話しませんが、練習に自分なりの工夫を加えながら前に進んでいきましょう。
そう、エアギターでイメージが膨らんでいる今のあなたならできるはず。
逆にこのイメージを持たずに先に細かいところに目がいってしまうと、それっぽく弾けてるけどどこかぎこちない、硬いグルーブになってしまいます。
ピッキングの練習は地味です。苦しいと思ってやっていると泣きそうになります。
仮に技術的に上達しても、苦しんで習得した技術なんて、他の人が観ていて楽しいわけもありません。苦労して身につけたんだ、俺の技を見ろ!という傲慢さがプレイににじみ出るだけです。
私は何のためにプレイするのか?
自分が楽しく弾くため。そしてその楽しさをみんなと共有するため。
その湧き上がる楽しさを、リズムに変えることができるのがピッキング。体とピックを使って思い切り表現しましょう。
そのためには、まずエアギターです!
まとめ
以上、全4回にわたってピッキングについてお伝えしてきました。お疲れさまでした。
基本的なところから、最後は考え方のような話をさせていただきました。
ピッキングはリズムとハーモニーを発生させるとても重要なテクニックになります。
ピッキングが上手な人は人を楽しませる演奏が上手いです。
第1回 ピックの選び方 第2回 ピックの持ち方 第3回 関節の動かし方をまだご覧になっていない方は合わせてご覧下さい。
具体的なピッキングのやり方についてもう少し知りたい!という方は、ポールギルバート直伝のピッキング方法の記事をご覧ください。
参考:ポールギルバート直伝!ピックの角度は○度で弾け!オルタネイトの極意
ピッキングに不可欠なのはリズム感。リズムについて書かれた良書がありますので、そちらのレビューも参考にされてください。
素晴らしい教本をたくさん書かれてYouTubeでもご活躍中の宮脇俊郎さんの本です。
参考:「ギターが下手」、原因の90%はリズム感 を学んでみた【教本レビュー】
少しでもあなたのギターライフにお役に立てたなら幸いです。
それでは、Love Guitar!
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