とある楽器屋さんがこう言っていました。
「人は人を1人しか愛することはできない。でも、ギターには何本でも愛情を注いでいい。ギターは増やせるからいいんですよ。」
そんなことを言われたら、買うしかないですよね。
「新しいギターが欲しい」
あなたがギターを好きであればあるほど、この感情はより強く、切り離すことができないものになっているはずです。
ゆっくりと欲しいギターを眺め、自然と気分がたかぶる。やっぱり欲しい。
しかしその直後に飛び込む「販売価格」という名の、我に返すために用意された残酷な数字。
何十万円もするギターは、美しいけど、そうやすやすとは買えない。
ギタリストは、この葛藤と戦いながら、今日もまたデジマートを徘徊します。
今回は、新しいギターが欲しいけど買えない、そんな片思いギタリストの方に向けたお話。
高いだけが全てじゃない
見た目も音も美しいギターを誰しもが手に入れたいもの。
しかし、うっとりするような美しさを持つギターの値段は恐ろしく高い。数十万円、百万円オーバーのものもあります。
鑑賞用と割り切るならまだしも、基本的にはギターは楽器。
弾くこともあれば、持ち運ぶこともあります。
その度にギターは消耗し、傷が入る。
落とすかもしれない。盗まれるリスクもある。
そんなことを考えると、有り金の全てをぶっ込んで高級ギターを買っても精神衛生上よくない未来が待っている可能性もあります。
メインギターとなるべきギターは、大切に使いながらもある程度ガンガン使い倒せる必要があると思います。
そういう意味では、百万円のギターをガンガン使っていけるような財力のある人はなかなかいないですよね。
ですから、個人差はあるものの、十万円前後なら多くの人が音質も期待できて、気兼ねなく使えると感じるのではないでしょうか。
苦楽を共にしてぼろぼろになるまでギターを弾き込んであげるのは、ギタリストとして最も素晴らしいギターの使い方だと思います。
今回は、星の数ほどあるギターの中から、ぜひともメインギターにするべきギターを厳選して3つ紹介します。
選んだ基準は、
価格は10万円前後
美しいこと
音が良いこと
つくりがしっかりしていること
品質が高く、割安感のある素晴らしいギター2021を、ギター歴25年のギターマニアのRimoが選びました。
それではいってみましょう。
PRS SE Custom24
一つめはポールリードスミスのSEです。
ポールリードスミスといえば美しいギターを数多くラインナップしているブランドですが、値段もそれ相応で40万円前後のモデルが中心です。
SEは、エントリーモデルとしてよりリーズナブルな価格で作製されているギターです。
かつてのSEは、「いかにもコストを抑えて作りました」という感のある、少々残念な雰囲気のあるギターでした。
いくらPRSが好きでも、ぶっちゃけ所有感はあまり満たされないだろうなと思ってしまうほどグレードダウンしたギターだったんです。
しかし、現行のSEは見た目の安っぽさは完全に払拭され、オリジナルモデルに肉薄した、「欲しい」と思えるギターに進化を遂げ、これは売れるだろうなと素直に感じさせる出来映えとなっています。
まず目を惹くのが、クラスを超えた美しいフレイムメイプルトップ。虎目の杢です。Rimoの大好物。
ゼブラカラーのPRS製ピックアップ、エスカッションマウントのフレームもクリーム色の設定があり高級感が増しています。
また、初代SEではまっ平らだったボディトップも、オリジナルほどではないですが緩やかにアーチを描いてボディのボリューム感と光沢の変化をもたらしています。
フレットボードはバードインレイと呼ばれる鳥の形をしたポジションマークが入ったものになっています。
PRSといえばやっぱりこれですよね。
トーンももちろん素晴らしく、歪ませたサウンドの広がり、粘りは流石の一言。
プッシュプルのセレクターも付いているので分厚いハムサウンドも枯れた透き通るようなシングルサウンドも自在にコントロールできます。
Ibanez AZ224F
次に紹介するのはIbanez AZ224F。
AZシリーズはこれまでのIbanezの「とんがったイメージ」とは異なる、新規軸のデザインを採用しています。
その中でもおすすめはAZ224F。
サーやトムアンダダーソンなどのハイエンドなコンポーネントギターを彷彿とさせる外観、フロントシングルピックアップとセレクタースイッチを搭載した回路。
より多彩な音色をカバーできる、スタジオミュージシャン志向のデザインとなっています。
そしてフレイムメイプルトップの美しい虎目と、高いプレイアビリティを実現するネックヒール処理など抜かりはありません。
ネックは熱処理を加えて鳴りと強度を高めたローステッドメイプルになっている点も超クールです。
ピックアップはダンカン、ブリッジはゴトー、ペグはロックペグ、蓄光性サイドマークなど、細部にわたって豪華なパーツを装備しています。
サウンドは今風な中高音が豊かで、輪郭のキリッとしたサウンド。今までのIbanezにはなかった路線じゃないでしょうか。
ロックやフュージョン、ブルース、アニソンなどさまざまなジャンルにおいて、バンドアンサンブルに埋もれないしっかりと鳴ってくれるギターだと思います。
ただし、従来のRGシリーズのようなゴリゴリの極悪ヘヴィメタルサウンドが欲しい人には不向きですね。
決してメタルに向かないという意味ではなく、あくまでこれまでのIbanezらしいRGシリーズの音とは違うということです。
実はこのモデル、2018年のモデルで定価も15万円以上するのですが、これが今入れ替え時期の処分価格で10万円近辺のものが出てきました。
いい杢のものはすぐに売れてしまっているようなので、気に入ったものに出会ったら即買いが吉です!
Sterling by Music man JP60
最後はSterling by Music man JP60です。
ドリームシアターのジョンペトルーシモデルのエントリークラスです。
そう聞くとあまり真新しさがないと思いますが、ようやくオリジナルと同じ色であるミスティックドリームがモデルに加わっているんですよね。
ジョンペトモデルといえば黒、青、緑、紫と見る角度によって表情を変えるあのボディ!
ジョンペトモデルは2001年からのロングセラーですが、エントリークラスにはこれまでずっとミスティックドリームの色設定だけはありませんでした。
エントリークラスとはいえ、いくら形が同じでもジョンペトといえばやっぱりあのカラーであってこそだよなー、と思っていた方は相当数いらっしゃるのでは?
17年越しの念願かなって、嬉しい限りですね。
残念ながら、オリジナルに搭載されているピエゾピックアップやトーンコントロールのプッシュスイッチは省かれていますが、ロックペグ、ステンレスフレット、ボディのスクープエルボーカット加工はオリジナルと同じ。
それに加えてリーズナブルな価格帯なので、ジョンペト好きなら無条件で買って損しないギターです。買ったその日から即ドリームシアター。
このモデルには7弦モデルJP70もあります。
1本目の7弦ギターとしても最強の選択肢となっています。
この7弦はRimoも購入しようか本気で悩んでます…。
まとめ
以上、Rimoがおすすめする10万円クラスの超ハイコスパギター3選をご紹介しました。
この価格帯のギターは、ギターの基本的な機能はしっかりしたものが多いです。
その分、ライバルと差別化を図るため、部分的にもうワンランク上の部品やデザインを上位機種から取り込み、そのギターのウリとしている傾向があり、激戦区の価格帯でもあります。
今回はご紹介した3つのモデルは、上位機種にほとんど見劣りすることのない素晴らしいギターばかりです。
楽器店で見かけたらぜひ手にとってみてください。
今回は10万円という価格設定でしたが、テクニックを上げたい方は個人的にIbanezをゴリゴリにオススメしてます。
その記事もあわせてご覧ください。
参考:テクニックを磨くためのおすすめギターはIbanez一択! その理由とは?
今回はここまで。おつかれさまでした。
読んでいただきありがとうございました。
それでは、Love Guitar!
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