こんにちは、ギタリストのRimo(@RimoGT)です。
今回は電源周りのお話です。
エフェクターいじりをしていると、「電源は大事!」という話を頻繁に耳にします。
ノイズや音質劣化の原因になるので、エフェクターには綺麗な電源を流してあげるのが重要であることはわかります。
また最近では、パワーサプライを選ぶ上で、「アイソレートされているか否か(ひとつひとつのエフェクターに独立した電流を流してるかどうか)」という基準が当たり前のように存在するようになっています。
機材紹介の動画を見るたびに登場するアイソレートパワサプ。
「え?あなたの電源、まだアイソレートしてないの?」というメッセージを毎回叩きつけられているようで、心が痛みます。
そして、だんだん自分のギターの電源周りが信用できなくなり、「電源のせいでいい音が出ないんじゃないか」と疑うようになってきます。
しかしアイソレートのパワサプをいざ買おうとすると、軽く10,000円超えしてきます。20,000円を超えてくるものもザラにあります。
電源に20,000円…?
20,000円あったら、新しい歪みエフェクターが欲しい!多機能ディレイが欲しい!と考えるのが一般的な趣味ギタリストの自然な心理ではないかなと思います。
どんどん手元に増えるエフェクター。
電源が足りない。
でも新しい電源はいる。
間に合わせの電源ではノイズが増えるんじゃないか。
でもそこに10,000円も20,000円もかけていたら、いくらお金があっても足りない…。
ギタリストは、こんな葛藤に苦しめられます。
そこで今回は、低価格で高音質を実現するために2つのニューギアを紹介します。
それがこちら。
ひとつめはCAJ HAB6。
もうひとつはCAJ Power Cable。
こちらはタメシビキ!の山口和也さんの動画でも紹介されました。
HAB6は5千円程度。Power Cableは1500円程度。
たったこれだけで、5台のエフェクターに電源を供給でき、ノイズの悩みも解決できます。
それって本当なの?という疑問を晴らすため、Rimoが実際に試してみました。
RimoはデジタルエフェクターであるMS50Gとアナログエフェクターに電源供給していますが、電源ノイズはなく、ボードにもスッキリと収まっています。
非常に質感も高く、作りが良いです。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、HAB6はアイソレート電源ではないです。
しかし、アイソレートでなくても、工夫すればノイズレスな電源供給はできます。
Rimoは、以前に電源供給方法をいろいろ試したことがあったのでうまくいく確証がありましたが、もし、買ってみたけどノイズが減らなかった!という方は、そもそもが間違っているのかもしれませんので一度見直してみてください。
なぜ非アイソレートでもノイズレスになるのかという理由と、実際にノイズの比較検証を交えたレビューを行いましたので、詳しくお話ししていきます。
この記事を読んで、「え?まだアイソレートしてないの?」の質問にも、「私、ノイズで困ってませんから」とキッパリ返してしまいましょう!
まずは原因を知ることから
ギターの電流というのは非常に弱いもので、繊細です。なのでちょっとしたことでノイズがのったり音がやせたりします。
電源周りに手をつける前に、まずは悪さをしているものを特定し、順番に排除していくことが、重要な手順となってきます。
いいパワーサプライを導入しても、ノイズの原因が別のところのあれば、ノイズがなくなることはありません。
それらを除去していきましょう。
身の回りで発生するノイズ
身の周りでノイズが発生する代表的なものは、
PC、PC周辺機器
エアコン
蛍光灯
などが挙げられます。ファンヒーターなども激しいノイズを発します。(Rimoはこれに気づかずにパニクったことがあります。)
とにかく、電気を使うものはノイズの源になる…そう考えていいと思います。
まずは、それらの電源を入れたり切ったりすることで、ノイズの原因がどこから発生しているかがわかります。それだけで気分的にかなりスッキリします。
必要のないものは電源を切りましょう。
とはいえ、上に挙げたものには、電源を切るわけにはいかない場合もあると思います。
その場合は、
ギターを弾く場所を変えてみる
ギターを弾く向きを変えてみる
ケーブルを良質なものに変えてみる
ギターの配線周りに100均のアルミテープを貼ってみる
このように、原因の特定をまずは行って、それらを丁寧になくしていきましょう。
CAJの導入とノイズの検証
前置きが長くなりましたが、いよいよCAJの話です。ポイントはパワーケーブルを使用することにあります。
これは、手持ちのモバイルバッテリーからエフェクターに電源供給できる優れもの。
ただの便利アイテムではない、画期的な商品です。
ここからは、学校の理科の授業のような内容になります。
理科は苦手…な方は読み飛ばしてもらっても構いません。
「ノイズの源=交流電源」を使わない これが何よりのノイズ対策
電源ノイズの発生の主な原因は、「交流電源」によるものです。『ハムノイズ』と呼ばれるものです。
先程のPCやエアコンといった身の回りのものからくるノイズも、元をたどると交流電源が発生させています。
エフェクターは直流で駆動しますので、エフェクターのアダプターには、交流を直流にかえる過程があります。
対して、モバイルバッテリーは直流電源。直流はハムノイズが発生する過程がそもそもありません。
「エフェクターは電池の方が音がいい」と言われる理由はここにあります。
CAJのPower Cableを使ってモバイルバッテリーから電源供給することは、電池でエフェクターを駆動していることと同じ状況になります。
また、HAB6もPower Cableも筐体がアルミで出来ていて、外部からのノイズの影響は少なそうです。
検証 デジタルとアナログの混載
電源側の問題はクリアできました。
もう一つの敵、「デジタルとアナログの混載」の影響があります。
デジタルエフェクターは、動作中に電圧の昇降が起こるので、ノイズの原因になるとされています。
その影響はどうかを確かめるために、実際に検証してみます。
合計6台のエフェクターを直列で繋いでみました。
アナログ 3台 ブースター、ディストーション、ディレイ
デジタル 3台 空間系マルチ、コーラス、リバーブ
CAJともう一つのパワーサプライを使って、供給方法を2パターン試しました。
アナログとデジタルを混ぜて供給
アナログとデジタルを独立させて供給
結果はというと…わかるような違いはありませんでした。
最近は安いエフェクターでさえもノイズ対策はきっちりされていますので、そこまで気にする必要はないでしょう。
仮にCAJとモバイルバッテリーを使って駆動してもノイズが出て仕方ないようであれば、それは「エフェクター側が悪い」と疑った方が良いかもしれません。
CAJを買って浮いたお金を、ノイズが発生するエフェクターの買い替えへ回すのが賢い選択かと思います。
容量の問題
次に気になるのは、
バッテリーの持ちはどうなの?
ライブ中に突然バッテリー切れしたら困る!
バッテリー容量やバッテリー切れに関していえば、お手頃な価格で手に入る10000mAhあれば十分ライブでも対応できるレベルです。
エフェクター5台なら、多く見積もっても2000mAを超えることはないでしょうから、5時間は持ちます。
また、モバイルバッテリーはほとんどの機種で残量の確認ができるので替え時もすぐにわかりますしね。
Rimoは普段10000mAのバッテリーを使いますが、練習で2週間くらいほったらかしてもまだ残っている感じです。
タブレットやPCの充電をそのバッテリーを使った時に、はじめて充電が必要になるくらいです。
まとめ
CAJのHab6とPower Cableの組み合わせ、非常にアリです。
もちろん、もっと大量にエフェクターを繋いでいる人は5つ口では足りないですし、究極の音質を目指すんだ!という方には不向きではありますが、先に述べたようにノイズの原因は他にたくさんありますし、歪み系エフェクターを使うとホワイトノイズはギターの性質上どうしても出ます。
バッテリー駆動にするだけで、電源からくるハムノイズは無くなりますから、Rimoこれで十分かなと思っています。
この方法を使えば電源問題は安く解決できるので、これで心置きなく新しいエフェクターを増やすことができますよ!笑
今回はここまでとなります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
電源5口じゃ足りない!という方は、One ControlのDistroというハブがおすすめです。
こちらもRimoが愛用しています。
9口付いていて、そのうち1つは12V-18Vの昇圧ができるので、歪み系にもっとハリのある音を!というニーズに応えてくれます。
また今回登場したエフェクターボード、RockBoardもおすすめです。
しっかりとした作りでペダルトレインより安い。これについて詳しく述べた記事がありますので参考にされてください。
参考:ペダルトレイン超え?高コスパで高品質なボードがあった Rockboard
それでは、Love Guitar!
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