
こんにちは、ギタリストのRimo(@RimoGt)です。
突然ですが、ケンタウルス系オーバードライブ。
名前だけは知っているのに、実際どう使えばいいのかよくわからない。
そんな悩み、ありませんか?
僕も最初はそうでした。
「伝説級のペダルなんだから踏めば良くなるでしょ」と思っていた当時の自分を、
数年後の僕は静かに笑っています。
実際に鳴らしてみたら――
音が硬い、前に出ない、太くもならない。
「高いのに…これで正解なの?」と首をかしげたまま数日。
結局いったんボードからそっと外しました。
あとになって気づいたのですが、
ケンタは“味を足すペダル”ではなく、“素材の旨味を引き出すペダル”。
入れすぎたら一気にバランスが崩れる、柚子皮みたいな存在なんです。
ケンタウルス系が特別な理由
結論から言うと、ケンタは
クリーンブースター兼、倍音スパイス装置。
派手に盛ってこないのに、弾くほど気持ち良くなる。この不思議な感覚が本質です。
特徴をまとめると、
- ピッキングの強弱がそのまま音に出る
- 低域がタイトになり、抜けが良くなる
- 中域がほんのり甘くなる
- “加工された感”がないのに確実に良くなる
特に最後の「加工されていない感じ」が最大の武器。
自然体なのに高級。控えめなのに美味しい。
ケンタは、そういうペダルです。
Rimoの失敗談:Driveを上げすぎて事故った話
最初の頃、僕はDriveを思いっきり上げていました。
「せっかく高いんだから主張してくれよ」という欲が勝っていたんです。
その結果、
- 音は硬い
- 抜けない
- 存在感が薄い
- とにかく地味
これで数日悩んでしまい、
「踏む意味あるのかな…」と思ってボードから外したのが最初の挫折です。
のちにわかったのですが、
ケンタは主役じゃない。
主役の魅力を静かに引き出す、映画でいう“名脇役”ポジションなんですよね。
使い方1:Driveほぼゼロのクリーンブースト
まずは基本中の基本。ケンタの真価が一番わかる使い方です。
- Drive:0〜9時
- Treble:12〜13時
- Level:13〜15時(お好みで)
この設定でストラトの薄さが一発で解消します。
クリーンなのに密度があって、鳴ってくれる。
“気持ち良いクリーン”ってこういうことか、と思うはずです。
Rimoの感覚でいうと、
「ケンタはクリーンのモチベーションを上げるペダル」
という位置づけです。
使い方2:アンプのクランチを押し込む
アンプをうっすらクランチさせて、Levelで押し込む。
これも王道の使い方です。
- Drive:8〜9時
- Treble:12〜13時
- Level:15時〜MAX付近(お好みで)
ピッキングへの追従が急に良くなり、アンプの質が上がったように感じる瞬間があります。
「なんか急にアンプが高級になった?」という、あの不思議な感覚。
盛られていないのに良くなる。
ここがケンタの一番ズルいところです。
使い方3:歪みペダルの前で“輪郭補正”
TS、RAT、DS-1などの前に置くと、
輪郭が整い、抜けが段違いにアップします。
一度やると戻れない組み合わせのひとつです。
個人的に最強はTSとの組み合わせで、
- TSは焼肉のタレ
- ケンタは塩と胡椒
素材を整えて、味を決める。
この順番で使うと、驚くほどしっくり来ます。
使い方4:Driveを上げた“ザラつくオーバードライブ”
あまり語られませんが、Driveを12〜15時まで上げると
ケンタ特有のザラつきが前に出たオーバードライブになります。
- 甘いのに粗い
- 倍音が生々しい
- コンプ感が薄く、タッチが残る
70s〜80s寄りの土臭いロックを弾くときは特に気持ちいい。
ケンタがハマるジャンル
- ブルース
- ポップス
- ロック(特に70s)
- インスト(ギター主役系)
- シューゲイザーの下支え
逆に、モダンハイゲインを求める人には不向きかなと個人的には思います。
Rimoが最終的に落ち着いた使い方
いろいろ試した結果、最終的にここに戻ります。
アンプを軽くクランチ → ケンタで押す(Drive 9時 / Level高め)
これだけでギターがよく鳴る。
弾いていて気持ちが良い。
練習したくなる。
ケンタの価値は、本当にここに凝縮されています。
まとめ
ケンタは「劇的に変えるペダル」ではありません。
適量のスパイスで“あなたの音”を引き出すペダル。
最後に、Rimo流のメッセージをひとつ。
ケンタは、あなたの弾き方を肯定してくれる。
そのままでいい、と静かに背中を押してくれる。
そんな距離感で使うと、ケンタの良さが自然と見えてきます。
それでは、Love Guitar!


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