今まで歪み系の話をいくつか記事にしてきましたが、今回はギタリストのRimo(@RimoGT)がメインで使っている歪み系ペダルの紹介です。
これまでにいくつか歪みエフェクターに関する記事を書きましたが、Verocityのペダルに関してはペダルが素晴らしすぎて、その素晴らしさをどう伝えたら良いか考えをまとめるのに時間がかかってしまいました。
今回はRimoの長い長いペダル選びの奮闘の経緯をお話しして、なぜVerocityを選ぶことになったのかを、Verocity effects pedalsさんへ感謝の気持ちも込めてお話しします。
今回は前編、「Verocityと出会うまでの苦悩」編です。
アンプモデリングが普及し始めた頃
時はさかのぼり、2000年頃。
アンプのモデリング、エミュレートを使って音を出すことはすごく身近になった。Libe6のPODが発売され、ギタリストに一気に普及した。
色んな音を出すのはデジタル技術の最も得意とするところで、一台でマーシャルもフェンダーもVoxも鳴らせる!というのはギタリストにとって夢のような技術だった。
一方で、当時よく話題になったのは、モデリングの音がデジタルくさいから使えない、という問題がネットなどでたびたび議論された。
デジタルの歪みのデジタルくささはいまだに解決されていない永遠のテーマのように思うが、アンプモデリングが普及し始めた頃に比べれば、かなり音質は良くなっている。
お気に入りは非王道アンプ
しかし、Rimoはデジタルのアンプモデリングはメインとしては一回も使ってこなかった。
なぜなら、そもそも使いたいアンプが搭載されていないという問題があったからだ。
メインで使っていたアンプはLANEYのVC50というコンボアンプ。
大好きなポールギルバートが使っていてずっと欲しいと思っていたら、オークションサイトで出品され、入札した。
VC50を使えば、どれだけ適当にセッティングしてもポールギルバートの音色になってくれる、最高の一台。
毎日ギターを弾くのが楽しくてしょうがなかった。
気に入って現在もずっと所有している殿堂入りの機材だ。ポール本人は今はマーシャルを使っているが、RimoはLaneyの音に惚れた。手放すつもりもない。
持ち運びできない重さ
しかし、スタジオやライブに真空管アンプを持ち込むには運搬の問題がつきまとう。
アマチュアギタリストは、機材は自分で運ばなければならない。何十キロもあるアンプをその都度運ぶことは現実的ではなく、RimoのVC50は自宅専用機となった。
また、マーシャルでもフェンダーでもない音に恋をしてしまった
そこから、気軽に持ち運びができる歪み系ペダル探しの長い長い旅に出ることになる。
散々色んな種類のペダルを買い換えて、いったんたどり着いたのがヒュースアンドケトナーのプリアンプTubeMan2。
音も太く艶っぽくて、歪みだけでなくクリーンがめちゃくちゃいい。
Rimoの好きなヌーノベッテンコートの音色にも似ている。3ch切り替えができる。持ち運びができる大きさ。大満足の一台に出会えた。
ライブでも大活躍した。真空管をモディファイしたりして、とにかくお気に入りの一台となった。
最強の音色トライアンプとの出会い
そして、Tubeman2とも決別を迎えることになる。
世の中には、知らないままでいる方が幸せなことがある。
Rimoは、ヒュースアンドケトナーの最上位機種であるトライアンプが気になり始めた。そして、あろうことか楽器屋さんで試奏を申し込んでしまったのだ。
Rimoは、残酷な現実を知ってしまった。
音がケタ違いだった。
先ほど話した運搬の問題があるので購入には至らなかったが、Tubeman2への愛は一瞬にして覚めてしまった。
その後もTubeman2は使い続けたが、もっといい音のする機材はないかという気持ちになっていた。
諦めきれない”あの音”へのこだわり
マーシャルやフェンダーではなく、Laneyとヒュースアンドケトナーという王道から外れた音に恋をしてしまったRimoにとって、たとえ何種類のモデリングを搭載しようと、自分の使いたい音がゼロなら、自分にとっては音が出ないのと同じことを意味する。
新しいアンプモデリングマシンが発売されるたびに、Laneyやヒュースアンドケトナーの音が搭載されてないかチェックした。
結局、たくさんのモデリングを搭載している機種でも、大半はマーシャル、フェンダー。
やっぱりないか…そのたびに落胆していた。
と同時に歪系コンパクトエフェクターを新しく買っては売りを繰り返していく。
使いたいエミュレートも似てなければ意味がない
その後あるメーカーからLaneyのモデリングがでたが、実際に使っている本人からしたらあまり似ているとは思えず、買うことはなかった。
そして本家Laneyからもついにアンプモデリングのペダルが発売されたので、淡い期待を胸に購入した。
Iron Heartという違うシリーズのモデリングであったせいもあり、満足のいく音は出なかった。
また電源も他のエフェクターとは違う仕様になっていて、すぐにエフェクターボードから外してしまった。
好きな音が出せない そして、ギターを弾かなくなっていく
答えが見つからないまま、Rimoは仕事で海外への転勤を命じられた。
当時バンド活動も順調だったので名残惜しさはあったが、海外で仕事をするのは長年の夢だったので、ギターに対する想いはいったんしまっておいて、日本を離れた。
ギターと機材は一部持っていったが、アンプはさすがに置いていった。
結局、満足な音が出せない環境では、ほとんど弾くことはなかった。
帰国後、結婚、出産などさまざまなイベントがありギターは細々と続けるにとどまっていた。
小さな子供がいる環境では、50ワットの真空管アンプを鳴らすこともはばかられた。
どんどんギターを弾くモチベーションが低下していった。
一方で、下手になっていく焦りを胸に、小音量でも良い音が出せる方法はないかと試行錯誤し続けた。
また機材を買い換えてたりしたが、それでも答えは見つからなかった。
再び転機 好きな音を出したい
そしてまた、海外勤務。
仕事は頑張りたいが、ギターももう一度、しっかり練習しようと決心した。
前回と同じ失敗をしないよう、小音量でもいい音を出すために今できる最大限のことをやろうと試みた。
コロナになる前の2019年までは、年に数回、日本に帰ることができたので、そのたびに機材をあらかじめ探して、購入していった。
Verocityとの出会い
そんな中、出会ったのがVerocityのペダルである。
LaneyのVC50と同じシリーズの、VH100のエミュレートがあると知ってすぐに反応した。
YouTubeに動画があった。
短い動画だったが、何度も見返した。
これは買ってみる価値があると思い、購入を決意。そしたら何とVerocityのラインナップにはトライアンプのエミュレートもあるではないか。
2つとも買った。
決して安価なペダルではないが、これまでかけてきた時間とお金を考えたら、価格は気にならなかった。むしろ安いとも思えた。
購入、音出し
自室のミニアンプにつないで、ドキドキしながらつないでみる。
もうこれでダメなら、もう諦めよう。
Laneyやトライアンプの音をコンパクトな機材で鳴らすことなんて、単なる自分のわがまま。
そもそも不可能だったんだと割り切るしかない。
しかし、それは杞憂に終わった。
久しぶりに感じる高揚感。やっぱりギターを好きな音で弾くことは大事だなぁとあらためて思い知った。
ミニアンプから音を出しているにもかかわらず、ちゃんとLaneyやヒュースアンドケトナーの音が出ている。
つないでいないときと比べたら別物のアンプになった。
そして旅の終わり
もっと早く知りたかった。でも、出会えて本当によかった。
これで終わりがないと思われた歪みペダル探しの旅は終わった。
終着点が2つあるとは思わなかったが。
最後に
前編はここでおしまいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
後編では、どんなところがすごいのかを記事にしていきます。
参考:Verocityペダルとの衝撃的な出会いとこのペダルの素晴らしさ
この長旅の中で、歪み系ペダルやエフェクターボードについて気づいたこと、学んだことについて記事にしてあります。
興味のある方はそちらも併せてご覧ください。
参考:ポチる前に見て欲しいディストーションエフェクターの選び方
参考:知らなきゃヤバい自作エフェクターボードの罠。失敗しないエフェボの組み方とは
それでは、Love guitar!
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