こんにちは、ギタリストのRimo(@RimoGT)です。
ギタリストである以上、カッコいいアドリブを弾いてみたい。
ペンタ一発やスケール一発から抜け出したい。
オシャレなフレーズを弾きたい。
大半の方はこう考えていると思います。
そんな思いを胸にアドリブの勉強していると必ず目にする、「オルタードスケール」という音階。
その音階から創り出されるフレーズは、なんとも言えない緊張感、ペンタ一発とは一線を画すオシャレな響きを生み出してくれます。
「そうそう、俺はこんなフレーズが弾きたかったんだ!このスケールを習得するぞ!」と息荒げにGoogle先生に聞いてみる。
「オルタードスケール ギター」と。
しかしその検索結果にあらわれた不可解な音の並びに、一瞬で心をへし折られる。
「いや、やっぱり俺はペンタの使い手として生きていく!ペンタ王に俺はなる!」
そう自分に言い聞かせたギタリストは星の数ほどいるのは想像に難くありません。
オルタードスケールは、超カッコいい響きを持っていますが、メジャースケールとは全く違う並びをしています。
そしてギターの指板上でみるとそのゴチャゴチャ加減にめまいがしそうです。
オルタードを弾きこなすのは超上級者向け
ギターに魂を捧げる覚悟がないと覚えられない
若い頃ならまだしも、趣味レベルでこんなやばい音の配列を覚えるのは至難の技…
一度は頑張って弾いて丸暗記しようとチャレンジした方もいるかも知れません。
しかし、しばらく弾かないときれいさっぱり忘れてしまう…
キーが変わった途端にもう訳がわからない…
まさにギタリスト泣かせのスケール。
やっぱり覚えるのは無理!
しかしちょっと待ってください。
オルタードスケールの「ある考え方」を知れば、オルタードスケールの見え方が変わり、習得可能なものになります。
「メロディックマイナーの半音上から始める」
「テンションノートを順番に弾いていく」
このような、わかったようでわからない難しい話ではありません。
簡単に、暗記せず、その場でオルタードスケールを鳴らせる考え方です。
今回の記事では、その考え方をご紹介します。
オルタードスケールって?
はじめに少しだけ「オルタードスケールって何?」についてご紹介します。
あるコード進行があるとします。
その中で、盛り上がりの部分、つまり起承転結の「転」の部分にあたるところでは、「セブンスコード」が使わます。
そのセブンスコードの時によく響くのがオルタードスケール。オシャレスケールの一種です。
オルタードスケールを上手に使ってフレーズを組み立てると、ゾクゾクするようなオシャレな雰囲気をつくり出しながら盛り上げることができます。
特にジャズでは「転」が連発する曲が多いのが特徴で、それに合わせてオルタードスケールのフレーズを連発するのが常套手段の一つとなっています。
ポップやロックでは多用されませんが、使うと一気にジャジーな雰囲気が漂います。
しかし、その響きもさることながら、弾くにはスキルを必要とします。
だからこそ、みんな憧れるわけですね。
オルタードスケールの配置
まずは、挫折まっしぐらな指板上での音の配置からみてみましょう。
これをみると今でも吐き気が…
ペンタやメジャースケールは視覚的に覚えられたのに、オルタードは指板上では全く規則性がないように見えます。
真っ向勝負の暗記では、覚えるのは相当難しいのはわかると思います。
運指においても、ロックの技術のベースである、
ペンタのボックスポジション
メジャー/マイナースケールの1弦あたり3音ずつ
これでは指が定まらず、運指が安定しません。
オルタードを理解する簡単な方法
暗記せずにオルタードを指板に浮かび上がらせる方法をご紹介しましょう。
まず、スケールを2つに分ける
まず、オルタードスケールの音の成り立ちを考えてみます。
この時、音階を2つのグループに分けることができます。
これが今回のポイントです。
前半はコンディミスケール
後半はホールトーンスケール
この2グループです。
ここで拒絶反応が起きる人もいるかも知れませんね。もう少し噛み砕いて説明します。
前半はコンディミ、ややこしいので後回し
コンディミスケールは、半音、全音、半音、全音という音の間隔でできたスケールです。
ただし、これはギターの指板上では少し複雑なのでいったん置いておきましょう。
後半はホールトーン ギタリストにフレンドリーなスケール
ホールトーンスケールは、全て全音の間隔でできたスケール。
指板でみるとこうなります。
視覚的にわかりやすい、ギタリストフレンドリーなスケールです。
これをベースに考えていきます。
覚えるのではなく、その場で作ってみる
オルタードスケールの、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目の5つの音の関係はホールトーンと同じ全音間隔となっています。
(8番目=1番目、つまりルートのことです)
これを指板上に当てはめてみます。
例として、Gオルタードスケールの場合を見てみましょう。
まず、ルートのGの場所を確認。
次に、Gから下に4音、ホールトーン(全音間隔)で並べてみます。
この5音の並びはオルタードスケールとホールトーンスケールの共通の音です。
ポジションを全て覚えるのではなく、ルートであるGの位置を把握して、そこから下の4つのホールトーンを浮かび上がらせる。
これができるようになれば、スケールを忘れてもその都度導き出せます。
また、ホールトーンの規則的な配置を利用して、簡単に色んなフレーズを自分で作ってみることができます。
大切なポイントなのでもう一度言います。Gから下に4音、ホールトーンです。
どのポジションでも良いですから、この5音を「ひとかたまり」と考えて、それを使ってフレーズを弾いてみてください。縦移動、横移動しながら、ホールトーンの配置の規則性や響きの雰囲気を掴んでみてください。
頭をギラギラにして覚えようとしなくても、この5音の塊を弾いているうちにホールトーンの配置が浮かび上がってくるようになると思います。
この段階で、スケールの7つの音のうち5つもポジションの把握ができました。
残り2つです。
再び前半のコンディミ
再び前半部分、コンディミです。
スケールの2番目と3番目の音を入れてやります。ルート音と4番目の間にある音ですね。
ルート音と4番目の音の間隔は2全音。
その間に、残りの2音を半音、全音、半音の間隔となるように配置します。これで前半部分のコンディミスケールと共通の音階ができました。
ルートの位置が分かれば、難しいことはないと思います。
そして合体する!
前半と後半を合わせてみましょう。
あらためて、全体を弾いてみます。
この時、自分が弾いている音が「ホールトーンの部分だ」「コンディミの部分だ」と考えながら弾けば、音階を見失うことはありません。
コツとしては、スケールの7音のうち5音はホールトーンなので、まずホールトーン部分の把握をきっちり行うのがいいでしょう。
セブンスコードをホールトーンのフレーズでバチッと決めれば、それだけでかなりカッコいいです。
まとめ
今回のまとめです。
オルタードスケールは指板の配置に規則性が見つけにくい。丸暗記はおすすめしない。
オルタードスケールは、コンディミとホールトーンの2つに分けられる。
視覚的に覚えやすいホールトーンの部分である5音を理解する。
残りの2音はルートから半音、全音上がった音階であることを理解する。
「オルタードスケールは、ほぼホールトーン」という認識ができれば、キーが変わっても対応できるようになります。
他にも覚え方はありますし、もちろん「オルタードスケールを覚えること」と「オルタードのフレーズを弾くこと」は同じではありません。
しかし、このやり方はオルタードを「覚える」のではなく、「その場で作ることができる」のがメリットです。
忘れてたとしても、わざわざGoogle先生に聞き直す必要がなくなります。
このやり方が、成長の足掛かりになっていただければ幸いです。
今回の内容は初心者の方には少し難しかったかもしれません。やっぱりオルタードはハードルが高い!と感じる方もいるかと思います。参考に、ペンタトニックをベースにした、セブンスコードで使えるスケールが他にもありますので、その記事もぜひご覧ください。
参考:ギターのアドリブができる人に激変するたった一つのスケール。
追記:オルタードスケールを使って、具体的にどんなフレージングをしていけば良いか?
「定番フレーズを弾く」というのが王道ですが、オルタードフレーズをもっと自由に、自分で作り出せれば楽しいですよね!
そのやり方を、指板の上だけで理解できる方法を記事にしていますので、そちらもぜひご覧ください。
参考:指板でわかるやさしいオルタードスケール。楽譜もTAB譜も必要ない。
また、馴染みの深いペンタトニックの知識と組み合わせることによって、オルタードをより理解できる記事もありますので興味のある方はご一読してみてください。
それでは、Love Guitar!
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