みなさん、家でエレキギター をどうやって鳴らしていますか?どれくらいの音量?夜は?
ギターを弾いている人は「お隣さんがどう聞こえているか?」「苦情こないかな」と気にしながら弾いている人は多いのでは?また、これからギターを始めたい人は「ギターアンプってどのくらいうるさいの?家で弾けるの?」特に心配ですよね。
ギターを弾く経験が長くなると、だんだん「でかい音はいい音」「極力でかい音で鳴らしたい」と思えてきますよね。でも家で鳴らしたら迷惑・・・このジレンマと付き合っていかなければなりません。
「小さい音でもいい音は出せないかな」とか「ヘッドホンってぶっちゃけどうなん?」とか「アンプなしで弾くのは下手になるって言うけどあり?」など色々な疑問があります。私Rimo(@RimoGT)もそういった悩みを抱えながら何度も眠れぬ夜を過ごしてきました。
今回は、「練習用アンプ」について、実体験に基づいてタイプ別に考察をしていきたいと思います。
大型アンプを自宅練習に使うのは実際どうなのか
大型アンプを自宅練習で使用するとどういうことになるのか、体験談を交えてお話ししていきます。
音色は文句なく最高だが
Rimoは真空管50Wコンボアンプを所有しています。めちゃくちゃ欲しかったものがヤフオクで3万円台で出品されていたので思わずポチりました。家に届いた時、親は絶句していました。
真空管を温めて、スイッチを入れて鳴らした瞬間、昇天しました。やっぱり音は最高でした。
と同時に、当然ですが家族にブチギレられました。体育館も楽勝のサイズですから部屋のガラスが割れるんじゃないかと言うくらい迫力のある音が出ます。
結局実家にいるあいだはボリュームをめちゃめちゃ絞って、0.1くらいで弾いていましたね。音圧は無くなりますが、なんとも言えないきらびやかで深いトーンを奏でてくれます。
その後、独身寮に引っ越した時にどうしても衝動が抑えられなくなり、試しにフルテンかましたら、当然ながら一発アウト、管理人さんにめちゃくちゃ怒られました。
どうしても鳴らしたい人は
その後、うるさい大通りに面した物件に移り住んだんですけど、そこが奇跡的にガラスも壁も防音がしっかりされていたので、そこそこ鳴らせました。あの時の環境が一番良かったですね。ニコ動で弾いてみたをやっていたのがその時期で、スピーカーを通さずに録音機材へプリアンプだけ通して録音しても、めちゃくちゃいい音出してくれます。
現在はアッテネータ(音圧を変えずに音量だけ下げる装置)をかまして、家族が出かけた時だけやや控えめな音量で鳴らします。普段は使いません。
結論、大型アンプはクレイジー。音質重視の人、防音環境の整った人向け。周囲のブチギレ必至。
小型アンプが現実的
大型アンプはかなり周りへの配慮が必要なことはおわかりいただけたと思います。
となると現実的なのが小型アンプ。
最も「アリ」な選択肢
トランジスタなら15W、真空管なら1Wくらいが小型アンプと言われるカテゴリになります。トランジスタ15Wに対し真空管1W、数値に差があると感じた方がいるかもしれませんが、真空管の1Wはドライブさせると想像以上に音量があります。
プリプリした音色はやはり真空管ならでは。ギターの音色に艶が出ます。エフェクターの乗りもいいです。ただ、50Wの快感を覚えてしまうと少々物足りなさがあります。
この辺りは選択肢として一番現実的なサイズ感かなと思います。しかし、夜に弾くのはNGだと思います。家族からしょっちゅううるさいとキレられました。昼ならOKだと思います。窓は閉めておいた方がいいかもしれません。
とはいえ、このサイズでも家フルテンはダメでした。実家ではもちろん家族ブチギレ、ワンルームに住んでいた時に試しましたが、次の日にポストに苦情の手紙が入っていました。
結論、小型アンプは一番現実的な選択肢。ただしフルテンは周囲ブチギレ。大音量を鳴らす練習は別途必要。
イヤホン、ヘッドホンは条件付きの選択肢
小型アンプの音も鳴らせない環境にお住まいの方もいると思います。
そうなってくるとイヤホン、ヘッドホンはどうなの?という疑問が上がってきます。
致命的な欠点
ケーブルありのイヤホン、ヘッドホンは、音質うんぬん以前にケーブルがわずらわしいです。人によっては気にならない方もいますがRimoはダメです。弾き始める前にまずケーブル引っかからないようにケーブルの取り回しを考えるのがわずらわしさを感じます。
まあ、慣れなんでしょうけど・・・できればそう言う余計なことは考えたくないです。
ただし、日本の住宅事情を考えるとヘッドホンで弾くと言うのは避けられないと思います。夜間に弾く方、昼間もお隣さんの壁が薄いと言う方は致し方ないですね。逆に大音量で鳴らしても、音漏れしない限り迷惑がかかることがないことがメリットです。酔えます。
amplugと言うイヤホンアンプが一時期はやりましたのでRimoも試しに一つ購入しました。低価格でありながら音質はそこそこかな・・・と言う印象でしたが、ギターに直接挿すタイプですので、ケーブルが絶対に体の周りにまとわりつきます。なのでほとんど使っていません。
気になることがもう一つ
あとは生音が全く聞こえなくなる点もデメリットです。いい音を鳴らすためには、ボディやブリッジ、弦からなる生音を直接聞いて弾き方を改善するプロセスは必要だと思っています。
これは誰もが無意識的に行っている行為だと思いますので生音を遮断する練習をメインにするのはあまりお勧めしません。
ただし、最近はワイヤレスヘッドホンなるものがギター用にもついにBossから発売されました。Rimoも発売前に予約して即行ポチって購入しました。ケーブルのわずらわしさはもちろん解消されました。
「音色がBoss」なので、Bossの音が好きな人はうってつけです。Rimoは・・・あくまで夜間限定ですね。あと、夏は耳が暑い。目の前にアンプがあるように聞こえる立体音響テクノロジーも話題になりました。
参考:【レビュー】Boss WAZA-AIRを半年以上使いこんで見えてきたこと
結論、イヤホン・ヘッドホンはワイヤレスがいい。夜間に弾く人、昼間も音を出せない人向け。
オーディオやPC経由のオーディオスピーカーもあり
最近のトレンドだが難点も
オーディオやPC経由のオーディオスピーカーも最近は全然ありですし、最近ではすっかり多数派となっていますよね。
小さな音量でも音質もいい。だからこのやり方で弾いている人も最近多い。ただ難点としては、機器の電源を入れたり機材の接続をしたり、弾く前の準備がわずらわしい点です。
例えばPCに繋ぐとして、家族もそのPCを使うとか、自分専用だけど外にも持ち歩くモバイルPCだとか言う人は接続が億劫になってくる可能性があります。タブレットや携帯のアプリも同じことが言えます。
独身の頃はPCに繋ぎっぱ、電源入れっぱだったので、アンプシミュレーター経由でオーディオスピーカーから鳴らしていました。
でも家族ができてからはPCをたまに嫁さんが使うし、子供もいるのでちょっとした空き時間で弾こうと思った瞬間にパッと弾き始めてさっと終わりたいですから、準備と片付けの多いこのやり方は私には不向きな方法になってしまいました。
追記:本気で弾く時はいい音で鳴らしたい!ということでHotoneのキャビネットシミュレーターを持っています。
参考:キャビシミュペダルであなたの歪みペダルは別物に生まれ変わる
注意すべきこと
このやり方は、アンプシミュレータは必須になってきます。その際に気をつけたいのは「レイテンシ(音の遅れ)」です。デジタル機器のアンプシミュレーターは、弾いたあと電気信号をコンピューターが処理をして音を出します。その処理に時間がかかるので音がわずかに遅れて出てくるんです。
レイテンシはms(ミリセカンド)という単位で表されますが、2ms以下が理想的で、10msを超えるものは良くないと言われています。最近は技術も進んできてほとんどレイテンシがないものが増えてきましたが、まだ低価格のものは音の遅延があります。
商品によって公表していないものも多く、低遅延を謳っていない商品はちょっと疑った方がいいかもしれません。
本当は恐ろしいレイテンシの話
過去にRimoはレイテンシの大きな機材で練習していたところ、おかしなフィンガリングになったことがあります。
レイテンシについて知らないと、わずかなズレだと弾き始めは気にならないんです。でも徐々に弾くタイミングと鳴るタイミングがずれている、ミスっていると無意識に感じだして、だんだん強く弾くようになり、最終的に指が痛くなってきておかしいと気づきました。
感覚的なものですが、レスポンスの速いギターは弾いていて気持ちがいいです。大事ですので、知らなかった方は、覚えておいてください。最近普及してきたギターのワイヤレストランスミッタも、安いものはレイテンシを疑った方がいいかもしれません。
結論、自分専用の機材を常時設置できる人向け。レイテンシ注意。
アンプなしで弾くのはアリなのか
最後に、アンプなしで弾くのはありかという話。「アンプなしで弾いたら変な癖がつくからやめた方がいい」という人もいます。この点については、初心者の方についてはあてはまっていると思います。
エレキギターはミュートする(不要な弦を鳴らさないために押さえておく)という技術が必須ですが、アンプなしではミュートができているかを判断するのは初心者のうちは難しいからです。
ただし、夜間だけとか、ライブ前のウォームアップ、とか、普段アンプありの状況にあるなら弾かないより弾いた方が上達するので別になしだとは思いません。
もちろん「アンプを持っていない」「アンプを普段使わない」というのはナシです。
結論、「アンプ持ってません」「アンプ使ってません」はナシ。一時的に弾くのはアリ
タイプ別おすすめアンプ
タイプ別に、おすすめの機材をご紹介します。
おすすめ大型アンプ
大型アンプを選ぶレベルの人におすすめすることは何もありません。ようこそ、とだけ伝えておきます。自分のお気に入りの一台を見つけてください。
おすすめ小型アンプ
定番ですが売れ筋。2019年9月ごろに8年ぶりにモデルチェンジしたばかりで、ワイヤレス、Bluetoothにも対応。エフェクターもついているのでこれ一台で自宅練習はバッチリだと思います。
小型アンプ その2
真空管搭載で、しっかりマーシャルのかっこいい音が出ます。インテリアとしてもギタリストらしい部屋の感じが出ますね。
ミニアンプ、という選択肢もあります。メインで使うには心許ないですが、Rimoが使っているおすすめのBlack Starミニアンプのレビュー記事も合わせてご覧ください。
参考:Blackstar Fly3を2年使ってレビュー サイズから想像できない音
ヘッドホンアンプ
Bossのワイヤレスヘッドホンです。Bossの新しいテクノロジー開発の姿勢はすごいです。立体音像テクノロジーで、目の前にアンプがなっているような臨場感ある演奏が楽しめます。
参考:【レビュー】Boss WAZA-AIRを半年以上使いこんで見えてきたこと
オーディオ・PC経由
選択肢が多岐に渡りますので、自分にあった機材を構築してください。考えるだけでワクワクしますね!
まとめ
最後にまとめです。
1.大型アンプはクレイジー。音質重視の人、防音環境の整った人向け。周囲のブチギレ必至。
2.小型アンプは一番現実的な選択肢。ただしフルテンは周囲ブチギレ。大音量を鳴らす練習は別途必要。
3.イヤホン・ヘッドホンはワイヤレスがいい。夜間に弾く人、昼間も音を出せない人向け。
4.オーディオ・PC経由は自分専用の機材を常時設置できる人向け。レイテンシ注意。
5.「アンプ持ってません」「アンプ使ってません」はナシ。一時的に弾くのはアリ
自分にぴったりなアンプが見つかるといいですね!
最後にもう1つだけ。アンプはミニサイズ、プリアンプを良いものにする、という手もあります。
Rimoは音量対策として、ミニサイズの中では高音質なBlackStarのFLYに、Verocityのプリアンプを繋いで鳴らしています。サイズは小さくても音に妥協を許さない方にはオススメの組み合わせです。
参考:BlackstarミニアンプFly3レビュー サイズから想像できない音
参考:Verocityのペダルと出会って歪みエフェクター探しの旅が終わった
それでは、Love Guitar!
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