こんにちは、ギタリストのRimo(@RimoGT)です。
あなたは速弾きできますか?
なんだかんだ言って、速弾きはカッコいいです。エレキギターの華です。
「速弾き コツ」でググってみると、
ゆっくりなテンポから始めましょう
正しいフォームを身につけましょう
力まず、脱力しましょう
と言ったアドバイスが書いてあります。
ゆっくりから始める、フォームを見直す、ここまでは理解できるのですが…。
「力まず、脱力する」?これの意味がわかりません。
力みたくて力んでるんじゃないし、脱力したら指を速く動かせるわけないやん。
筆者はそう思い、「脱力しない」弾き方で何年も我流で頑張って練習してきました。
でも弾けない。
出来ることを全てやり尽くした。
でも弾けない。
…ここまできたら、「今まで無視し続けてきた『脱力』をしてないから弾けないのでは?」
と、いよいよ考えるようになりました。
でも、脱力するってどうやるの?ここから始まります。
果たして、「脱力する」ってなんなんでしょうか?
そしてその効果のほどは?
はじめにちょっとだけ
今回ご紹介するのは、あくまで筆者の見解です。
ギターの奏法は、クラシックスタイル、ロックスタイルなどジャンルによって異なりますから、「全員こうすべき」というものではありませんのであしからず。
それでは、いってみましょう。
1億回挫折した筆者の話
私はこれまで速弾きに憧れて練習し、ことごとく挫折しました。
自分にはできないとわかった結果、「自分のスタイルは速弾きじゃなく、チョーキングやスライド主体の泣きのギターで聴かせるんだ!」と、言い張っていた時期もあります。
チョーキングやスライドは、ギターにとってはとても重要なテクニックではありますが、「速弾きができない言い訳」として都合の良く自分に言い聞かせていたわけです。
それっていただけないですよね…。
ギターの原点は、速弾きへの憧れ
ポールギルバート、イングヴェイマルムスティーン、ヴァンヘイレン…筆者は彼らに衝撃を受け、筆者はエレキギターをはじめました。
今でも、ポリフィアとかジェイソンリチャードソンとか、ガスリーゴーバンとかめちゃくちゃカッコいいと思っています。
だから、たとえネガティブな理由を盾に自分を押さえつけたところで、やっぱり速弾きプレイはカッコいいですし、その憧れは捨て切れませんでした。
「速弾きなんて音楽表現のごくごく一部に過ぎない。そんなのできてもギターが弾けてるとは言えないよ」という意見。ごもっともです。幾度となく聞きました。
でも、かっこいいんです。好きなんです。理由なんてないんです。
諦め切れぬ想いと繰り返す挫折
たとえコードプレイやカッティングを練習していても、気がつけばやっぱりピロピロ練習していました。諦め切れない。
でも、何回やってもうまくいかない。それどころかどんどん弾けなくなったり、筋肉を痛めたりしました。
思いっきり歪ませて、適当に音符を詰め込むような、「速弾き風」なプレイできても、クリーントーンで、粒の揃った速弾きは一向にできるようになりません。
「練習は嘘をつかない」「努力すれば必ずできる」なんて、嘘だ!
やっぱり才能のある人しかできないんだ…!
1億回同じことを考えました。
最後の最後で、脱力についてようやく考え始めたというわけです。
世にある情報を集めてみる
ギターの脱力の重要性については、至るところで語られているものの、きちんと納得のいく説明がなされているものがほとんどありません。
世の中にある「ギター脱力本」で唯一といっていい著書に、八幡謙介さんの書かれた「ギタリスト身体論 達人に学ぶ脱力奏法」があります。
とても勉強になる内容でした。
惜しむらくは、左手に関して「小指なしの3本指」での演奏を紹介しており、Rimoの目指すところとは違いました。
総じて演奏に対する考え方や、右手の使い方はとてもわかりやすく書かれており、新しい知識が得られることができたので、実際の演奏に取り入れています。
しかし、左手についてはまだモヤモヤしたまま…。
新たなきっかけ
まだまだ速弾きがうまくいかずに途方に暮れていましたが、素晴らしいヒントをくれる動画に出逢います。
それが、”ハートフルギター教室”の動画です。
講師の黒河内直樹先生が脱力について解説されている動画なのですが、黒河内さんはプロとして活動中に難病を患ったそうで、そのリハビリで身につけたメソッドを紹介しています。
「至適長」「関節が中間的な位置にある状態で手のパフォーマンスが高い」
ここでは今までのRimoにはなかった、全く新しい概念の手の使い方でした。
この動画ではMP関節という表現は使っていませんが、のちにこれはMP関節を使った奏法だと知ります。
ピアノの世界では常識?
MP関節とは、「指の付け根、第3関節」のことです。
「ピアノ MP関節」と調べてみると、山のように検索結果が得られます。
ピアノの演奏では、MP関節の使い方が大事なのは当たり前のように言われています。
ピアノでよく言われる、「卵をやさしく握るように構える」というのも、このMP関節の使い方に関するものです。
しかし、“ハートフルギター教室”で推奨されていたフォームは、残念ながら当時の筆者にとっては難しいすぎる内容で、そこまでスッと入ってきませんでした。これは単に私の理解力が低かったと思っています。
しかし、ここにヒントがないか、動画を何本も観ながら考えました…。
なかなか答えは見出せず
興味深い知識を得ることができましたが、結局しばらくの間はその知識を自分のギター奏法落とし込むところまで辿り着けませんでした。
その間も、速弾きに挑戦するも上達できずに苦しんでいました。
MP関節のことも、次第に忘れていきました。
ふとした時に気づく
いつものようにギターを手に取り、相変わらず速弾きで失敗を繰り返していたある日のこと。
指の動きが極端に固くなるフレーズがあることに気がつきました。
人差指→薬指→小指→中指
この特定のパターンで、最後の中指が動かないんです。しかも小指が指板から離れない。
クロマチック練習の時は動くのですが、アップテンポの曲中では全く。
いつからこうなったのか、元からなのかも思い出せません。
失敗率100%です。なんで?
強引に指を動かそうとすればするほど、指がガチガチになってしまう。
「脱力、もっと脱力しないと…でもどうすれば…」
そう思いながら、なんとなくグーパーしてみました。
「そういえば、MP関節って前に調べたな…結局この関節ってどうやって動かすんだろう?」
今度は指の付け根だけを曲げ伸ばし。
どうやら、手のひらと、手の甲の筋肉の伸縮で動いているようです。
指の形を保ったまま、柔らかく曲げ伸ばしできます。
手のひらと手の甲の筋肉を意識して、MP関節を使って弾いてみる。
はじめはすごい違和感でしたが、指はすんなり動きます。
「脱力ってこういうことなのかも。」
恐る恐る、ほかのフレーズも弾いてみます。
指がスムーズに動く。
長い、長いトンネルに光がさした瞬間でした。
最後に
筆者にとっての脱力奏法とは、
手のひらと手の甲の筋肉を使い、MP関節の曲げ伸ばして弾く
です。まだまだ練習しなければなりませんが、全く手も足も出なかったフレーズも、これであらかた弾けるようになってきています。
以前のような、弾いても弾いても全く上達する気配がない状態から脱出することができました。今は毎日の練習が楽しみです。
速弾きするときに指が固まって動かない方、力んではいけないことを分かっていてもつい力が入ってしまうという方は、試してみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回の記事を読んでも、イマイチしっくりこなかった方。
ギターを押さえる筋肉がそもそも不足している部分がある可能性が考えられます。筋力が足りないから、力が入ってしまう。鍛えることも脱力する上で必要になってきます。一見矛盾するようですが、これについての記事もありますので参考にされてください。
参考:「ギターは指の筋トレが必要」の本当の意味とおすすめ筋トレグッズ
また速弾きに限らず、ギターが上達しないとイライラします。やめたくなります。そんな時にチェックして欲しいポイントが一つだけあります。併せてご覧ください。
参考:ギターが上達しない理由、チェックしてほしいたった一つのこと
それでは、Love Guitar!
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