ブルースらしさを絶妙に散りばめたショートフレーズ


こんにちは、ギターブロガーのRimo(@RimoGt)です。

第7回となりました!

このシリーズ、ご好評をいただいており本当に嬉しい限りです。ありがとうございます!書いているRimoも気合が入ります。

参考:【目次】ズボラギタリストのためのフレーズノート

それでは今回もいきましょう!

今回は、「ブルースらしさを絶妙に散りばめたフレーズ」です。

このシリーズでは、「ギター脳を鍛えること」を狙いとしています。

現代人は、忙しいです。フレーズを100個、覚える時間なんてありませんよね。

覚えても使わない順に忘れてしまいます。

しかし、

「指板がどう映っているか」

「構成や音にどんな意味があるのか」

「プレイの肝はどこか」

を理解すれば、圧倒的に覚えやすく、忘れにくくなります。

このギター脳が身につけば、歌うようにギターを弾く能力へと発展していきます。

時間がなくても、根性入れなくても、ギターフレーズがどんどん頭の中に入ってきます。

フレーズを覚えることをゴールとせず、考え方を身につけていきましょう!

フレーズを聴いてみよう

まずは#7のフレーズをお聴きください。

(動画は#7の3分5秒から再生されます。)

明るさの中に哀愁があり、泥臭い雰囲気もある、とてもブルースらしいフレーズです。

定番の響きではありますが、それだけにサラッと弾けたらめちゃくちゃシブい。

指板がどう映っているのか

コードで確認

キーAで、この人には指板に4弦ルートのAメジャーとA7、ふたつのコードトーンが見えています。

Aメジャー。

A7。コードとして押さえるときは赤丸を押さえる。

4弦ルートのコードは、アドリブフレーズを習得する上での基本となるので、少しずつ形に慣れていきましょう。

ここでは、コードが弾けることが目的ではなく、A7の形が指板上で浮かび上がるようになることがゴールイメージです。

このフレーズとコードを重ねるとこんな感じ。

図で全てを表すと複雑に見えますね。

しかし、焦らず2つのコードを1つずつ分けて把握するようにしてください。

フレーズに使われる7音のうち、5音がコードに含まれる音になっています。

スケールで確認

同時に、1弦、2弦、3弦のAメジャーペンタの塊が見えています。

ゴチャ…

あまり規則性のない形をしていますよね。Aマイナーペンタに比べて、このポジションのAメジャーペンタを苦手にしている人は多いのでは?

Rimoはこのポジションを覚えるのはかなり後回しにしてました。

しかし、5フレットから10フレット付近は演奏面で弾きやすいポジションですし、Aメジャーペンタはブルースをプレイするなら最重要のスケールとなります。

多くのギタリストが苦手にしているからこそ、これが身につくとギタープレイに大きく差が付きます!

コツとしては、前述のコードの形と絡めてポジションを把握していくことが、覚える助けになると思います。

話を戻しましょう。Aメジャーペンタを重ねるとこんな感じ。

フレーズの7音のうち5音がAメジャーペンタに含まれる音です。

ペンタに含まれない残りの2音は、後述しますが、1つはブルーノート、もう1つはセブンスです。

どのような音の構成になっているのか

音の構成は、大きく3つに分けられます。

序盤 Aに向けて上昇

中盤 必殺ブルーノート

終盤 A7コードトーン

序盤はペンタトニックの上昇

2弦 5フレット、7フレット、10フレットと、ルート音であるA音に向かっていきます。

上昇することで、「今からAメジャーのフレーズがはじまるよ!」という印象をリスナーに予感させます。

中盤は必殺ブルーノート

ブルーノートを使ったアプローチ。ブルースプレイの必殺技!

このシリーズで何回も登場している、ブルーノートを使ったアプローチ。

ブルースの雰囲気を出すための必須アプローチです。

醤油ラーメンの醤油、味噌ラーメンの味噌、ブルースのブルーノート。

終盤はコードトーン

終盤にA7のコードトーンを弾いています。

A7は図のようなダイヤ型の配置で構成されています。

フレーズの肝は

このフレーズの肝はふたつ。ブルーノートとセブンス。

2つとも、ブルージーなフレーズには欠かせない音です。この割り込ませ方がとてもうまくできているフレーズになっています。

順に見ていきましょう。

やっぱりブルーノート

このフレーズの肝、ひとつ目はブルーノートのアプローチです。

この音があるのとないのでは、音楽的な色気が全く異なります。

心を込めて、発音しちゃってください。

このフレーズでは、序盤の3音にAメジャーペンタを弾いていましたよね。そこから、ブルーノートへ。

この音の流れも、聴いている側に強い哀愁を印象づけることに一役買っています。

セブンスもブルースらしさを出す

ふたつ目は2弦8フレット(G音)のセブンス。

細かい理屈は割愛しますが、先程お見せしたダイヤの配置の、この音。

セブンスのG

ブルースのいわゆる「泥臭い雰囲気」というのは、このセブンスが醸す雰囲気のことです。

終盤のコードトーンを繋いだ部分では、セブンスを4番目に弾いています。

先に3つAメジャーの音を弾いてからのセブンス。セブンスを後に持ってくることで泥臭さがより際立っています。

いたずらに音を伸ばさす、ルート音である2弦10フレット(A音)に戻ることで、泥臭さを拭いフレーズを締めています。

もう一度聴いてみよう

今回のフレーズをもう一度聴いてみましょう。

(動画は#7の3分5秒から再生されます。)

まとめ

今回のフレーズのまとめです。

このフレーズは、

・1弦2弦の5フレットから10フレット付近のA7コード、Aメジャーペンタトニックを想定

・構成は、ルート音へペンタで上昇 → ブルーノート → A7コードトーン

・ペンタからブルーノートへ繋ぎ、コードトーンからセブンスへ繋ぐことで、よりブルース感を引き立てている。

このように解釈できます。

最後に

今回は#7をご紹介しました。

ブルーノートやセブンスって、ポジションを覚えているだけでは、効果的なフレーズを作るのって意外と難しいですよね。

このフレーズのように、

・ペンタを弾いてから、ブルーノート

・メジャーコードを弾いてから、セブンス

「後にとっておく」ことでより音のカラーが際立ちます。

いきなりこの知識をアドリブ演奏に反映させるのは難しいですが、演奏の心を知る上では有効な考え方ですので、ぜひ頭の片隅に留めておきましょう。

あなたのギターの引き出しがひとつ増えたなら幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

次回もお楽しみに。

第8回:大きなドラマを小さな動きでつくるおいしいブルースフレーズ

最後に、この記事を読んでもっとフレーズを習得したい!と思っていただけた方は、このシリーズの他の記事もぜひご覧ください。

参考:【目次】ズボラギタリストがフレーズ100個覚えるためのノート

それでは、Love Guitar!

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