せまい音域で大きなドラマをつくるおいしいフレーズ


こんにちは、ギターブロガーのRimo(@RimoGt)です。

シリーズ第8回となりました。数も増えてきたので、ご利用いただきやすいように目次ページを作りました。ブックマークする際にはこのページを使っていただければ過去ページにもすぐにアクセスいただけます。

【目次】ズボラギタリストがフレーズ100個覚えるためのノート

それでは今回もいきましょう!

このシリーズでは、単に弾けるようになることがゴールではありません。

覚えたフレーズは、弾いてないといつか忘れてしまいます。

体で覚えるまで弾き込んだフレーズは忘れませんが、100のフレーズを体で覚えるまでにどれくらい弾き続ければいいのか、想像しただけで気が遠くなります。

しかし、フレーズのもつ「意味」を理解すれば、覚える難易度はぐんと下がり、忘れる可能性もぐんと低くなります。

このシリーズではこの能力をギター脳と呼びます。

「指板がどう映っているか」

「構成や音にどんな意味があるのか」

「プレイの肝はどこか」

を理解して、歌うようにギターを聴くことができる、ギター脳を鍛えることが狙いです。

それでは、いってみましょう!

今回は、「狭い音域で大きなドラマをつくるショートフレーズ」です。

フレーズを聴いてみよう

まずは#8のフレーズをお聴きください。

(動画は#8の3分34秒から再生されます。)

100 BLUES LICKS YOU MUST KNOW | Part.1 – Blues Guitar Lesson

ポジションをほとんど移動していないのに、また大きなアルペジオやタッピングを使っているわけでもないのに、分厚く響くドラマチックなフレーズですね。

ブルージーで心に刺さります。

指板がどう映っているのか

スケールで確認

同時に、Eマイナーペンタのボックスが見えています。ルートは6弦12フレットと3弦9フレット。

この形は規則性も高いので、2番めに覚えやすいボックスだと思います。

ただ演奏面では、スケールを6弦から1弦まで一気に弾くには人差し指が忙しくなるのでやや難しいです。このフレーズを弾くより難しいかもしれません。

ですから、間違っても「このフレーズを弾く前にスケールの暗記をしよう!このポジションで運指練習だ!」という沼にハマらないようにしてくださいね。挫折まっしぐらです。

運指練習は別で行いましょう。

実際、このポジションを使ったフレーズは、弦を2本ずつペアで、1弦と2弦、3弦と4弦、5弦と6弦と3つに分けて作られていることが多いです。

ですので、まずは形を覚えるだけで十分です。

Eマイナーペンタを重ねるとこんな感じ。

フレーズの7音のうち5音がEマイナーペンタに含まれる音です。

コードで確認

キーEのフレーズなので、この人にはEm7のコードトーンが見えています。

このポジションでのEm7は下のようになります。

丸がついたところを押さえて弾いても、響きとしてはなんとなく不完全に聞こえると思います。

一方、6弦開放を鳴らしながら、赤丸を押さえて弾いてみると、しっかりとEm7の響きが得られます。

詳しくは割愛しますが、この形はEm7の一部を切り取っているからです。

ここでは、コードが押さえて弾けることが重要なのではなく、ポジションが指板上に浮かび上がるイメージを見につけてくださいね。

このフレーズとEm7のコードトーンを重ねるとこんな感じ。

フレーズに使われる7音のうち、4音がEm7に含まれる音になっています。

残りの3音がEm7ではない音ということになります。

この3音がEm7を派手に飾り付けている、と言えます。

このフレーズを聞けば、その派手さはお分かりいただけると思います。

どのような音の構成になっているのか

大きく3つの構成から成り立っています。

序盤:Eに向かってペンタ上昇アプローチ

中盤:テンション高めなダブルストップのペダルアプローチ

終盤:予想を裏切るコードでの締め

順に見ていきましょう。

序盤:Eに向かってペンタ上昇アプローチ

まずはペンタによる上昇です。

ここでのポイントは、「Em7上で、Eに向かって弾く」という演奏の意図を持つことです。

「道乗りはEマイナーペンタ、着地点はE」という狙いを持って弾くことが大切。

この形は覚えやすく演奏もしやすいので、ついついこのポジションを使って、闇雲なパターンで演奏してしまいがち。

ギターが上達してきて、ペンタは覚えた、アドリブしよう!となったとき、「ペンタをなぞるだけで、それっぽい演奏になる!」という楽しみを覚えることになりますよね。

しかし、注意してほしいのは、あくまでその演奏は「それっぽい」というだけです。

例えていうならバットを適当に振っていたらたまたまボールに当たることがあって、たまたまヒットになることがある、という状態に近いです。

ここの状態なかなか抜け出せないギタリストは相当数いるとお察しします。Rimoも類に漏れずそのうちの1人でしたから…。

もちろんアドリブを学ぶ上で「ペンタをなぞる」を習得することが、上達に必要な過程なのは間違いないですが、3年も5年も「それっぽい」じゃあ、さすがに辛くなってきます。何より自分が飽きてきます。

そこから一皮抜けるためにも、意図を持った演奏ができるようにしていきたいですね。

もちろんすぐにできるようにはなりませんが、意識するか・しないかで、時間とともに大きな差を生みますので、ぜひ意識するよう心掛けてみてください。

中盤:テンション高めなダブルストップのペダルアプローチ

このフレーズの山場である、ハンマリングを使ったダブルストップのアプローチ。

この響き、耳にしたことがあると思います。

定番中盤の定番ですし、ペンタをなぞるだけでは絶対に出てこない発想のプレイです。めちゃくちゃカッコいいのでそのまま覚えてしまいましょう。

哀愁感をつけつつ盛り上げたい、強調したい、というときにばっちりハマります。

終盤:予想を裏切るコードでの締め

最後の和音、これまでの響きとガラッと印象が変わったように聞こえますよね。

最後に、この和音!(赤く光っているところ)

この裏切り感、たまりません。

印象が変わったように聞こえるのはなぜでしょう?

最後のコードはEメジャーコードだからです。

「何でマイナーコードだったのにメジャーコードが使えるの?」という疑問を持たれた方もいるかもしれません。

答えは、「それがブルースという音楽ジャンルだから」です。

ブルースは、マイナーコードとメジャーコードを巧みに行き来する音楽です。

「ブルース感」を音楽理論的に説明すると、そうなるわけです。

ブルース理論ができてからブルース音楽ができたのではなく、ブルースという音楽が生まれて、理論は後からできました。

初めは、「この響きはブルージーだ」から始まったことなんです。

ちなみに具体的なメジャーとマイナーを入れ替えるタイミングについては、このシリーズのフレーズを通して、「定番から学ぶ」というスタンスで吸収していってください。

フレーズの肝は

肝は中盤のダブルストップ。

初めはパワーコードの形で押さえて、中指でハンマリング、プリング。

ブルース感たっぷりのフレーズなので、ハンマリングをミスらないようにしたいところです。

もしミスってしまっても大丈夫。

もう一回繰り返して叩き込むのも全然アリです。

このフレーズは何回使ってもカッコいいフレーズです。

仮に「ミスった!」と思っても、決してテヘペロな素振りを見せることなく、2回めにむしろもっと顔をクシャクシャにして感情を込めて弾いちゃってください。

もう一度聴いてみよう

今回のフレーズをもう一度聴いてみましょう。

(動画は#8の3分34秒から再生されます。)

100 BLUES LICKS YOU MUST KNOW | Part.1 – Blues Guitar Lesson

まとめ

今回のフレーズのまとめです。

このフレーズは、

Em7コード、Eマイナーペンタトニックを想定。

Eに向かってマイナーペンタ上昇、ダブルストップ、メジャーコードで締めという構成。

ハンマリング、プリングをからめたダブルストップが肝。何回重ねて弾いてもカッコいい。

このように解釈できます。

最後に

今回は#8をご紹介しました。

今回のフレーズは、音域は1オクターブもありません。ほとんどポジションの移動もなく弾けるフレーズです。

ですが、すごく色鮮やかで心に刺さるフレーズでした。

音にはそれぞれ役割があって、1つのスケールの中の音でも、1音1音に異なる響きがあります。

その役割を使い分けることが、表現力の向上に直結します。

とはいえ、体系的に言語化して覚えただけでは意味をなさないので、フレーズの引き出しを「演奏の意図」とともに増やしていき、ギタリストとしてレベルアップしていきましょう。

Rimoもまだまだ精進します!

あなたのギターの引き出しがひとつ増えたなら幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

次回もお楽しみに。

第9回:SRVへの第一歩!開放弦を絡めたトリッキーなフレーズ

最後に、「もっとフレーズの引き出しを増やしたい!」という方はこのシリーズの他の記事を覗いてみてください。

参考:【目次】ズボラギタリストがフレーズ100個覚えるためのノート

それでは、Love Guitar!

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