こんにちは、ギタリストのRimo(@RimoGT)です。
ZoomのマルチストンプMS50G、超便利ですよね。
MS50Gを溺愛してやまないRimoは、このブログを通じてMS50Gの素晴らしさをご紹介してきましたが、おかげさまでどの記事も多くの人に閲覧いただき、MS50Gの人気の高さがうかがえます。本当にありがとうございます。
参考:ギター機材オタクがMS50Gが最強マルチエフェクターである理由をまとめる
参考:【ギター】8千円のMS50Gが8万円のHX Stompを超えた裏技
参考:MS50Gのセッティングの仕方が分からない人向けおすすめ設定方法
100種類のエフェクト
Bossのコンパクトサイズ
ステレオ出力、32bitの高音質
痒いところに手が届きすぎる。ライバル不在、孤高のマルチエフェクターです。
MS50Gをひとたびつなげば、欲しかったエフェクターが全部手に入る。
あれも入れて、これも繋いで・・・もうテンション爆上がりです。
あれもつないでこれもつないで…とやっていると、あれ?
『DSP Full!』
の表示が。
最大6個のエフェクターの同時使用をうたったこの商品ですが、喜び勇んで6個つないでみようとしても容量オーバーとなってしまうことがしばしば。
MS50Gの愛用しているギタリストの共通の悩みは、この「メモリ不足」ではないでしょうか。
使用するエフェクターによって処理にかかる負荷が大きいものがあって、重たいものをつないでしまうと3つで容量オーバーとなってしまいます。
8000円前後で購入できてこれだけの機能を持っているので、もっとチップの性能を上げてくれ!というのは贅沢すぎる要望なのかもしれませんが…。
そこで今回は、搭載されているエフェクターの使用メモリをレベル別に分けてみました。
どのペダルがより多くの容量を使い、どのペダルが軽いのか。
これを知っておくことで、自分の出したい音に対して
「絶対に外せない」というペダルは、容量が重くてもお気に入りを使う
「とりあえず入れときたい」くらいのペダルは、より軽いものを選ぶ
という組み方ができるようになります。
そうすることで、「設定するたびにメモリ不足となるイライラ」を無くすことができ、出したいサウンドを手軽にどんどん作成できます。
MS50Gをどんどん活用して、みんながあっと驚くギターサウンドを奏でましょう!
まとめていくうちに、大体のレベル別に分けられることがわかりました。
また、エフェクターの系統によってレベルが固まっていることもわかりました。
これらを理解しておくだけで、いつでもどこでもメモリ不足を防ぐことができるようになります。
ご自身がセレクトした組み合わせでDSP Fullとなった時、どのエフェクターが容量を多く占領しているのか調べるための参考にしてください。
検証方法
検証方法としては、6個のエフェクターを繋いだパッチを一つ作って、そのうちの1つのエフェクターを入れ替えながら、「DSP Full」の表示が出るか出ないか、探っていきました。
初めに、だいたい真ん中くらいの使用量だと思われる「Booster」を6つ繋いで、そこから一個だけ入れ替えて、「DSP Full!」の表示に「なるもの」と「ならないもの」に分けました。
「Booster」を5個繋いでも「DSP Fullにならない」エフェクターの場合は、「Booter」をより重い「TS Drive」に入れ替えて、それでも余裕ならもう一つをTS Driveに…という風にして、より重いものと軽いものに層別していきます…。
なかなか時間がかかりました汗
結論:エフェクターの容量は9段階に分けられる
結果的に、約100種類あるエフェクターが、使用容量別に9つに分けられることがわかりました。
それでは、まずはレベルの定義をご紹介します。
レベル1 超軽い
レベル2 とても軽い
レベル3 軽い
レベル4 やや軽い
レベル5 普通
レベル6 やや重い
レベル7 重い
レベル8 とても重い
レベル9 超重い
この9段階です。
組み合わせにより多少の誤差はありましたが、選んだエフェクターのレベルの合計が22から27くらいまで同時に繋ぐことができます。
この層別で、エフェクトの系統ごとにざっくりと傾向が見えますので、まずはそこからご紹介します。
アンプ
総合的にどれも重い
レベル8、レベル9のいずれか
アンプを組み込んでいるかいないかで、全体の使用量が大きく変わってきますので目的に応じて入れるかどうかを判断してみてください。
歪み系
レベル5から8に分布している
ブティック系が重い
定番モデルとZoomオリジナルモデルはレベル4
市場価格が高いものは容量をよりたくさん使う傾向にありました。
残響系 ディレイ・リバーブ
レベル2から8と幅広い
「残響に揺らすエフェクト」は重い
メモリ容量に幅があったのがディレイとリバーブ、いわゆる残響系です。
残響音にさらに音色を追加するようなタイプのモデルは、処理が重たくなる傾向にあるようです。
残響系は使用する頻度が高いですから、ディレイとリバーブをどのモデルにするかがメモリ容量を左右する一つの肝になります。
空間系
レベル2から6と、ものによってはあなどれない使用容量
レベル3に充実したモデルが多い
濃いめのコーラスなど一部にレベル6がありましたが、大半はレベル3程度の使用量。
レベル3にも多彩な音が出るモデルが揃っているので、よほど狙った効果がある場合以外は、うかつにレベル4から6のものを使うのを避けることができそう。
ダイナミクス系 コンプ・フィルター
レベル1から4までにおさまっている
「とりあえず入れておく」ことができる
ダイナミクス系のコンプ・フィルターは全体的に軽かったです。
なので、割と気軽に組み込んでおくことができる印象。
逆にいえば、容量がいっぱいになってもコンプ・フィルター系を外してもそこまで容量の確保にはつながらないことがあります。
レベル別にみていく
メモリ確保により影響の大きい、上のレベルからみていきましょう。
エフェクトチェーンがすぐにFullになってしまう人は、容量の重たいペダルを選んでいる可能性が高いです。
本当に必要か、似たような効果の軽い容量のペダルがないかをチェックして、一度検討してみてください。
今回は情報量としては非常に多いので、早見表のようなお気持ちでご覧ください。
お手持ちのMS50Gがあればご自分のセッティングと照らし合わせてみて改善点を見つけるきっかけにしていただければ幸いです。
(Zoom公式のMS50Gエフェクターリストもこちらにリンクを貼って置きます。)
レベル9 超重い
まずは「超重い」エフェクターたちです。
全てアンプです。その中でも、ウルトラハイゲインアンプやブティックアンプたちです。
独特な歪みの質やイコライザーの効きを再現しようとすると処理が大変なのだと思います。
こだわりアンプ レベル9
Deluxe-R (‘65 Fender Deluxe Reverb)
VX JMI (Vox JMI製)
Car Drive (Carr Mercury)
Tone City (Sound City 50 Plus Mark2)
B-Breaker (1962 Marshall Bluesbreaker)
MS1959 (Marshall 1959 Plexi)
BGN Drive (Bonner Ecstasy CH3)
Alien (Engl Invader)
Revo-1 (Krank Revolution 1 Plus)
どれも個性的で素晴らしいアンプたちです。
しかし、これらのアンプは最大6個つなげるところの2個分以上の容量を使用していることを知っておいてください。
特定のアンプモデルにこだわりがあるわけではなくて、MS50Gで他に色々なことがしたいなら、別のアンプタイプに変えるのが無難です。
とはいえこれらのモデルを使っている人は、「このモデルがあるからMS50Gを使ってるんだ!」という方も多いかと思います。そういう方は、アンプだけVerocityなどのよりリアルなエミュレータを別で使用して使用容量を少なくするのもおすすめです。
参考:Verocityのペダルと出会って歪みエフェクター探しの旅が終わった
レベル8 とても重い
アンプ レベル8
レベル9以外の全てのアンプ
レベル9で挙げたアンプ以外のアンプは、レベル8 とても重い です。
MS50Gでアンプを使用すると、約1/3の容量を使用することになります。
ブティック系の歪み 2つ レベル8
BG Throttle (Mesa Boogie Throttle box)
Sweet Drive (Sweet Honey Overdrive)
歪みペダルの中でもこの2つは「重い」に層別されます。これを入れようとして「DSP Full!」を食らった人は結構いるんじゃないでしょうか。
両方とも繊細でいい音なので、選択に迷うところですね。
濃いめのリバーブ レベル8
次にレベル8に入ってくるのが、リバーブです。結構な数です。
HD hall
Spring63
Chamber
Lofi reverb
Church
Ambience
Gate reverb
Echo
TremoloRV
Holy flerb
Dynamic rev
Shimmer rv
ParticleR
SpaceHole
MangledSp
DualRev
「実物を買うまではいかないけど、ちょっと使ってみたかったんだよね」という魅力的なラインナップばかりなので、ついつい組み込んでしまいがちですが、実は結構容量を食います。
リバーブは基本重たいです。
「使うかどうかわからないけど飛び道具的に入れておく」という方は要注意。
「曲中に絶対に使う音色がある」という方以外は、常時うっすらとかけるのがほどんどだと思います。
レベル2やレベル3の軽いリバーブがありますので、そちらに変えるだけでメモリは大きく確保できます。
一部のモジュレーションディレイ レベル8
そして一部のディレイ。
ディレイ音に特殊なモジュレーションをかけるので、重たくなるようです。
Drive Echo
Smooth delay
Lo-fi delay
Tremolo delay
Ice delay
リバーブと同じく、特に理由がないなら組み込まない方が無難です。
レベル7 重い
歪み系 名器2つ レベル7
TB MK1.5 (Tone bender)
Dynamic Drive (FullTone OCD)
どちらも名器ですので、メインの歪みにするなら積極的に入れてみても良いのでは。
残響系 ディレイ・リバーブ レベル7
FLTR PPD (Eventide TimeFactor – Filter Pong)
Plate
Cave
Reverse
これら4つはリバーブの中では少し軽いですが、それでも重たい部類。
レベル6 やや重い
続いてレベル6です。
使用頻度の高そうなペダルたちがズラリ。サウンドメイクの中心になりそうです。
個性が際立つので、使うか使わないか、悩むところ。
ブティック歪み系 4つ レベル6
Centa Gold (Centaurus gold)
Octfuzz (Octave Fuzz)
Red Crunch (MI Audio Crunch Box)
RC boost (Exotic RC Booster)
濃いめのコーラス・ディレイ レベル6
Corona Tri (tc electronic CORONA Tri-Chorus)
Dual digital delay (Eventide Time Factor Digital Delay)
Carbon delay (MXR Carbon copy)
Slow Attack Delay (Line 6 M9 – Auto Volume Echo)
Tri-コーラスは積極的に使う場面が多いのであれば組み込んでも良いと思います。
ディレイに関してはさらに似た効果が得られるさらに軽いモデルがあります。
レベル5 普通
ハマっている音が出れば組み込んでおいてもOKですが、なんとなく入れていて容量オーバーするようであれば見直せるところですね。
歪み系 レベル5
TS Drive (Ibanez TS808)
空間系 レベル5
Silky Chorus (デチューン + コーラス)
Rt Closet (ローターリースピーカー)
残響系 ディレイ・リバーブ レベル5
Tape Echo3 (Maestro Echoplex EP-3)
Slap back delay (tc electronic Flashback – Slap)
HD Reverb (密度の高いリバーブ)
Mod Reverb (モジュレーションディレイ)
Slap back Reverb (繰り返し残響効果が得られる)
レベル4 やや軽い
6台分しっかり組み込んで多彩な音色を作っていきたいなら、このレベル4を中心に組んでいきましょう。
歪み系 レベル4
上記以外の全ての歪み、ブースターはやや軽い レベル4です。
アコースティックシミュレーターもレベル4です。
RATやビッグマフ、チューブスクリーマーといった往年の名器から、Zoomオリジナルのものまで、たくさんの歪みペダルがあります。
空間系 レベル4
Corona Chorus (tc electronic CORONA chorus)
Ana234 Cho (MXR M234 Analog chorus)
Z-organ (オルガンサウンドのシミュレート)
ディレイ レベル4
Pitch delay (ピッチディレイ)
Phase delay (フェイズディレイ)
Early reflection (リバーブの初期反射音のみを取り出すエフェクト)
ダイナミクス系 コンプ・フィルター レベル4
Stero Guitar GEQ
Slow filter
Grey Comp (Ross Compressor)
Orange Lim (Orange Squeezer)
Opt Comp (APHEX Punch factory)
レベル3 軽い
レベル3です。このあたりから気兼ねなく使える容量になります。
飛び道具的なエフェクターが多いので、隠し球はこの中から選ぶのが良さそうです。
コーラス レベル3
Vintage CE (Boss CE-1)
Super Cho (Boss CH-1)
CE-Cho5 (Boss CE-5)
Clone Cho (EHX Small Clone)
Mirage Cho
フェイザー レベル3
Duo-Phase
Warp Phaser
Stone Pha (EHX Small Stone)
フランジャー レベル3
BF FLG2 (Boss BF-2)
Flanger (ADA Flanger)
Dyna Flanger
その他の揺らし系 レベル3
Bend Cho (オートベンド)
Mojo Rolle (ビブラート)
The Vibe
Octave
Mono Pitch
HPS (ピッチシフター)
シンセ系 レベル3
Slicer
Bomber
Mono Synth
ディレイ レベル3
Mod delay
Multi Tap delay
Dyna delay
Filter delay
Pitch delay
Stereo delay
Phase delay
Trigger Hold delay
レベル2 とても軽い
特に何かをシミュレートしたものではなく、素の効果が得られるオーソドックスなものです。
処理は軽いですが音質は十分に良いので、繰り返しますが特に強いこだわりがなければレベル1のものを選んだ方がメモリには優しいです。
とりわけディレイかけっぱ、リバーブをかけっぱの人は、このレベル2の中から選ぶことで他のエフェクターを選択する自由度がかなり広がります。
フィルター系 レベル2
Graphic EQ (グライコ)
Cry (トーキングモジュレーター)
Comb filter (フィルター)
Para EQ (パライコ)
Dirty gate (ビンテージ風ゲート)
Noise gate (ノイズゲート)
Slow attack (ゲート)
空間系 レベル2
レベル2。「気になるなら、とりあえず入れとけ」なエフェクターたちです。
Tremolo (トレモロ)
Phaser (フェイザー)
Chorus (コーラス)
Detune (デチューン)
Vin Flanger (MXR M-117R)
その他の揺らし系など レベル2
Vibrato (ビブラート)
Pitch shift (ピッチシフト)
Ring mod (リングモジュレーション)
Bit crush (ローファイサウンド)
Auto pan (パン)
残響系 レベル2
Delay (ディレイ)
Tape echo (テープディレイ)
Analog delay (アナログディレイ)
Reverse delay (リバースディレイ)
Air (ルームリバーブ)
レベル1 超軽い
以下の2つはさらに軽いです。
ZNRはメモリの圧迫にはならず性能も良いので、空きがあるならとりあえず入れておいてもいいです。逆にZNRがすでに入っている人は、外しても空きメモリを確保したことにならないので注意。
Line sel
ZNR
まとめ
以上、MS50Gのメモリ容量別のエフェクターリストでした。
MS50Gは汎用性が高い上に操作が簡単で、上手に活用すればすごく可能性が広がる機材です。
もちろん、いつも最大容量いっぱいに使う必要はなく、ここ1番で踏むエフェクターを1つだけ忍ばせることもできるのも、MS50Gの魅力でもありますよね。本当に素晴らしい機材です。
今回の記事を参考にして、MS50Gのサウンドメイクをしていただければ幸いです。
作りたい音があるのに、メモリ不足のイライラのせいで途中で止まっているアイデアはありませんか?
最後に、MS50Gの関連記事のリンクです。MS50Gをフル活用して、素敵なギターサウンドを作ってみてください。
参考:ギター機材オタクがMS50Gが最強マルチエフェクターである理由をまとめる
参考:【ギター】8千円のMS50Gが8万円のHX Stompを超えた裏技
参考:MS50Gのセッティングの仕方が分からない人向けおすすめ設定方法
それでは、Love Guitar!
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